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Side Ymmt
「おさぼりさん、リフレッシュできましたか」
『言い方もうちょっとないの？』
この距離感が当たり前になった今日この頃。その日の夜も、僕はベランダにでて少し離れたところで煙を吐く彼女を見下ろしながら電話を繋いでいた。
「なんできょうそんな早く帰れたの」
『んー、シフト組み間違えて私が余ったんだよね』
凡ミス、とけたけた笑うAちゃん。まあ、僕的にはどこからどう見ても働きすぎなので半日でも休めるなら休んでほしい。というかAちゃんがいなくてもお店回るならいいじゃん、というとそういうわけにもいかないらしい。それもそうか、営業以外の仕事だってあるもんね。難しい。僕はいつか過労で倒れるんじゃないかと心配なのに。
『ねー祥彰』
「はいはい」
Aちゃんから名前を呼ばれてもあまり違和感がなくなってきた。彼女はこちらをじっと見上げている。
何も言わないので、どうしたの、と聞くとふふ、と笑う彼女。
『これさ、ロミオとジュリエットみたいじゃない？』
「どゆこと？」
『こんなイメージない？まあ下にいるのがロミオなんだけど』
「じゃあ僕がジュリエット？」
『そうとは言ってないじゃん』
「おおロミオ、貴方はどうしてロミオなの、だっけ」
『ノリノリなのはなんで』
二人でやいやい言い合う時間が落ち着くし楽しい。…そうだね、これでAちゃんが目の前にいたら言うことないや。お店に行ったって、基本的には向こうは仕事中の店員さんで、僕はお客さん。
「ねーAちゃん」
『んー』
「…会いたいかも」
いつか君が言ってくれた本音かもしれない言葉、はぐらかしちゃったけど。電話を持ったまま固まる君。煙を吐き出す呼気だけ届く。
『…明日お店来る？』
「んーん」
じゃあどうするの、と少し震えた声で、そしてわざとらしく笑って君は言う。
「ねーAちゃん」
『…なに』
「こっち向いて」
『見てるよ』
確かにきみはこっちを見ていた。
一時もそらすまいとじっと見つめる。
行きつけの喫茶店の店員さんとお客さんじゃなくて
夜中に離れて電話しながら煙草を吸うだけの関係じゃなくて、君の隣で、君の笑顔を目の前で見て、君が泣くほどつらい時そばにいれるようになりたい。
「…好きだよ」
「電話越しじゃなくて隣で煙草吸って、これからもいろいろ話そう」
「Aちゃんがいれたコーヒーがあったら最高だな」
「ねえ、僕と付き合って」
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黄色い恐竜(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます！私も書くことが自粛期間中の楽しみだったので、そう言っていただけて嬉しいです…！次回もよければぜひよろしくお願いいたします！ (2020年6月15日 14時) (
レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - ぺりさん» コメントありがとうございます！私も大好きな二人をそう言っていただけて嬉しいです…次回はまた雰囲気が変わるかと思いますが、よければぜひよろしくお願いします！ (2020年6月15日 14時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 孤黒さん» コメントありがとうございます！日常的な幸せって素敵ですよね…そう言っていただけて本当にうれしいです！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月15日 14時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
早瀬 - 完結おめでとうございます！コロナで外に出れない憂鬱なこの日々の楽しみがこのお話でした！とってもとっても素敵でした…！！山本さんを幸せにしてくれてありがとうございます笑これからも素敵な物語を楽しみにしています！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: 0963beb20e (このIDを非表示/違反報告)
ぺり(プロフ) - はじめまして！完結おめでとうございます！陰ながらずっと更新を楽しみにしておりました。山本さんが報われてよかったし、本当に好きな2人でした。次回も楽しみにしております！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: aef7fed343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄色い恐竜
| 作成日時：2020年5月21日 21時
