あの瞬間に。 (ページ6)

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光輝くんも遅れてわたしの家に到着して準備も終わる頃、「まってお前ら酒買った？」と湧が冷蔵庫を漁りながらわたしと颯太くんに向けて言った。

「･･･あ、わすれてた」

「やばい完全に忘れた、やっぱ私たち人選ミスすぎる」

「たこ焼きミックスも忘れかけたもんね」

「「ねー」」

「ねー、じゃねえんだよ(笑)しょうがねえからジャン負け2人買い出しな」

めんどいとか寒いからヤダとか言いながらぞろぞろとみんなが集まってきて、じゃんけんした結果。

「わー、まけた。」

「お！よっしゃ、Aちゃんと買い出し～」

「黒ちゃんとAいってらー、私あのチャミスルの炭酸ね」

「マキちゃんのトクトクは言われなくても買うよ(笑)あとみんな何がいい？」

「〝Aちゃん〟セレクトでいいよ」

「おーい、深田やめろ、俺にも選ばせろよ」

「黒ちゃんセンスないからAちゃん頼んだよ」

「早く帰ってこいよ」

「･･･はーい、寒いからやだな」

「俺と一緒でうれしいんだ？」と言いながら外に出る光輝くんをシカトして後を追う。急に立ち止まったかと思えば「さむいから」と羽織ってたジージャンを着させてくれた。デジャブだ。

「ね、てかわたしの家なんだし自分の上着もってくるよ」

「めんどいじゃん、いいよおれニット着てるから暖かいし」

「んーじゃあ借りる、ありがと」

「･･･いーえ、ちょっとAちゃん着るとおっきいね」

「うん少しぶかぶかかも、光輝くん身長そんな高くないのに(笑)」

「おいそれ禁句な？いうて10cmくらい差あるから」

「はいはい、高いねすごいすごい」

「もう、Aちゃん嫌いになるよ」

「ねえやだ、それはやだ」

「わかったわかった、･･･すきだから」

すき、なんて言われなれてない、わけでもないけど。
こうやって言われるの、しかも相手が相手だし。
光輝くんがすき、とかじゃないけど･･･なんていうか。

顔に熱が集まる感覚になって恥ずかしくて俯く。

「そこで顔赤くするのなしでしょ」

そう言った光輝くんをちらっと見ると
きっと、わたしくらい、いやわたし以上に何故か顔を赤らめてる。

「･･･なんで光輝くんが顔赤くしてるの、」

「Aちゃんが悪い、」

「ええ？わたし？なんでよ」

「いいの、なんでもない、ほらコンビニ行こ！」

そう言って何事もなかったように私の腕を掴んで目の前のコンビニへ足を進める。

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