あの瞬間に。 (ページ5)

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大体宅飲みするってなったら湧か光輝くんの家だけど今日はみんな授業だし先準備してて、ってことでわたしの家になった。一応、急いで片付けたし部屋平気かな……なんて心配しながら颯太くんを家にあげると「うわあ、きれい、女の子の家だ」なんて目をきらきらさせてる。

「そんな見ないで(笑)あ、マキちゃんから預かってるたこ焼き器これね」

「うおーすご、準備しよしよ」

「軽く準備しちゃう？でもまだ時間あるし･･･」

じゃあ、なんかネトフリでも見よってなって2人で映画を見ることに。颯太くんってなんだろ、落ち着くというか波長も好きな物も似てるからか一緒にいて楽すぎる。なんか、家族みたいな。

思わず映画に夢中になって、ちょうど感動シーンで涙が溢れ出ると隣で声を上げて泣いてる彼。

「ねえ、泣きすぎでしょ」

「もうっ、むり、くるし、Aちゃんも、泣いてるっ」

2人して号泣してる中、響き渡るインターフォンの音で我に返る

「まって、やばいみんなきたかも」

「ええ、むり、涙止まらない」って目を真っ赤にしてティッシュを使いまくる颯太くんを横目にとりあえず玄関に向かってドアを開ける。

「…は？なんで泣いてんの？」

「Aちゃん？どうした？」

湧と深田くんに心配されたけどマキちゃんには「どうせHuluでもみて感動して泣いたんでしょ」と言われて「ネトフリだし」と応えるとやっぱりな、と大爆笑された。

「おい、颯太号泣じゃん、2人揃って何してんだよ」

「だってみんな遅いから、ほら、ちゃんと買い出ししたし？みんなで準備しよ？」

そう言うと湧がえらいえらい、とふわっと笑った。

「黒ちゃんは課題出し忘れてたらしくてあとから来るよ」

「おっけー、じゃあさき始めてよ」

マキちゃんと颯太くんも湧の後を追ってキッチンに向かった。

「湧くんってAちゃんのお兄ちゃんみたいだよね(笑)」

「そうかも？(笑)てか、ひさしぶり深田くん」

「あはは、そう？彼女と別れられたよやっと」

「･･･そっか？」

「なあにその顔(笑)」

「ううん、ひさしぶりに深田くんと話せて嬉しい顔」

「安定にかわいいわ」

「やめて、わたしを落とそうとしないで(笑)」

「それは色んな人に怒られちゃうな」

「ええなにそれ」

なんでもないよ、って笑う深田くんを見て色々思い出してほんとに落ちそうになるからやめてほしい。

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