あの瞬間に。 (ページ14)

今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:41,669 hit

14 ページ14

.

「え？なに聞こえない！」

「だーかーら、次なに歌う？」

「ええ、私はいいよ、光輝くんひとりで歌って」

惚れないでね？と耳元で言ってきた彼にハイハイと頷いて目の前のオレンジジュースを飲む。

いまはマキちゃんと檜山くんでディズニーの有名な曲を歌ってる、絨毯で空を飛ぶやつ。仲良いなあ、なんてぼーっとする。

いつものメンツ+檜山くんでカラオケにきたけど深田くんの姿が見えない、今日は来ないのか？

檜山くんは別サークルだからこのメンツと飲むことは少ないけどマキちゃんの彼氏だしたまにこうやって来てくれる、まあみんな檜山くんと仲いいし、楽しそうだ。

湧と颯太くんはジャ○ーズのユニット曲歌ってる、青春の歌。

ポッケに閉まってた携帯が震えてちらっと見ると深田くんからメッセージ

『今カラオケ着いたんだけどみんな既読つかなくて、何号室にいる？』

『何号室だっけ、ドリンク取りに行くからレジ前いくね』

空になったコップを持って静かに部屋を出てレジの前にいくといかにも今起きました！みたいな髪と服装の深田くんが立っていた。

「寝起きですか？」

「ふは、ばれた？」

「うん、いかにもって感じのビジュしてるもん」

「今日講義無かったし油断してたわ」

ごめんありがと、ってふわっと笑われる。

深田くんが私の顔をじっとみてくるから慌ててそらすとまた笑われた。

なんか……このまえの思い出して勝手に気まづい…

店員さんからコップ受け取ってドリバに一緒に向かう

「あ、光輝くんたちが沢山お酒買ってきてたからお部屋にまだあるよ」

「ほんと？じゃそれ頂くわ」

「そうしな、わたしオレンジジュース入れるからまってて」

「あれ今日は飲まないの？」

「うーん、いいかな？って感じ」

壁によりかかって待つ深田くんは誰が見てもかっこいいんだろうなって、少し寝癖で襟足が跳ねてても上下スウェットでも、かっこいいんだもん。

「そんなジロジロ見んといて」

はずいわって軽く肩を叩かれて

「え…あ、ごめんかっこいいなって」

「え」

「あ、うそ、いやうそじゃないけど………」

普通にかっこいいし、うん、本人に言うのはさすがに酷いことをした、ごめん、の気持ちを込めて(何の)腕を掴んでみんなのいる部屋に向かった。

.

「深田くんきたよ、ちょうどいた！」

「遅れてごめん、寝てた」

「だと思った、イッキだなこれは」

湧にイッキさせられたのは言うまでもない

.