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「また来てな」
『はい！店主さん…宮さんのご飯、とっても美味しくてファンになっちゃいました』
お会計も終わり、身支度を整える。
わざわざドアを開けて待ってくれている宮さんに駆け寄ると、宮選手がわざとらしく咳払いをした。
足を止めたわたしの前に鍛えられた長身が割り込んできて、宮さんの姿は見えなくなる。
「コイツ、面倒くさいやろ。
友達やとしても、色々あると思うで？」
『面倒くさい、かは分からないですけれど…
でも宮選手は、素直な方ですよね』
思ったままを言ったつもりが、ひょっこり顔を覗かせた宮さんはヒュウ、と口を鳴らして宮選手を肘で小突いた。
衝撃に背中を丸める宮選手の耳が少し赤いことに気づいて、つられるように顔が熱くなる。
知れば知るほど、この人はすごく素直で温かい人だと思い知らされる。
彼をちゃんと見る、とは、こういうことなのかと思うと、妙にくすぐったかった。
「呼び方、紛らわしいやろ。
俺のことは治でええで。ツムは侑でええし」
「あ！せっこいわ！何お前だけ呼ばれる流れ先に作ってんねん！」
「アホか。お前がチンタラしとって呼び方の一つも言い出せへんから、俺がアシストしたったんやろがい」
「っ、サム！アシストて！ええヤツ！」
宮選手が涙ながらに宮さんに抱きついているのを見ながら、頭の中に「宮」が渋滞していくような気がした。
確かに、この呼び方は紛らわしいけれど。
宮さんの意図は理解していた。
あの告白を受けて、そして今のこの流れ。男女として進展させようとしているのが分かるからこそ、呼びにくさが半端じゃなかった。
『侑、さん？』
「カッタ！いやかわええけども！
かったいわ！それもうほぼ他人やん！」
「Aちゃん、コイツにさん付けなんてもったいないわ」
やっとの思いで口にしたそれは、即座に却下された。
今日初めて会った異性を下の名前で呼ぶのは、十分親しい証だと思うのだけれど。握手の時といい、やっぱり彼の理論は理解ができなかった。
理解できないし、気軽にそんなに距離を詰めて、変な期待をさせるのも本意ではない。
それなのに、期待に溢れたキラキラした目に、結局折れるのはわたしだった。
『じゃあ…侑くんと治くん、で』
思いのほか小さくなってしまった声は、しっかりと届いていたみたいで。
嬉しそうに笑って、二人揃って頷いてくれた。
宮選手と宮さんが、侑くんと治くんになった。
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さな(プロフ) - ラブリーハートのプリキュアさん» ラブリーハートのプリキュアさん、ありがとうございます！身に余るお言葉、、嬉しいです😂侑くんらしさを出せるよう頑張ります！ぜひよろしくお願いします！ (2023年3月6日 19時) (
レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ラブリーハートのプリキュア - 初めの文から好きです。なんかもうあの語彙力が神ってて!!表現の仕方が好きです。まさかこのシリーズに侑君が出るとは。頑張って下さい! (2023年3月5日 9時) (レス) @page1 id: 0b96e038f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2023年3月5日 0時
