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それから。
俺の仕事、バレーしかなかった毎日に、見舞い、という項目が追加された。
よっぽど暇なのか、行く度に鎌先さんと笹谷さんがいて、それならとこちらも青根を連れていけば、病室がかつての部室のようにも感じられた。
別に感傷に浸るようなタイプではないけれど、それでも、定期的にかつての仲間と会えるのに、悪い気はしない。
気づけば、見舞いに足繁く通っていた。
「あ、じゃあ俺こっちなんで」
「あれ、お前車じゃねーの？」
「この病院、バスのが楽なんすよ。
青根いたら絶対乗せてもらうんすけど」
そうして病院通いも慣れてきた頃。
珍しく鎌先さんと笹谷さんと病室出るタイミングが被った。
病院の入口で駐車場に向かおうとする二人に声をかければ、すげぇ意外って目で見られた。
まぁ確かに俺、車派だし。
最近だって青根連れてきてたから、青根の車で来てたし。
でもこの病院、変な道通って来るから車よりバスのがいいんだよな。この辺り一通とかもすげー多いし。
「へぇー、青根安全運転っぽいよな」
「おい二口！頭下げてお願いすんなら、俺の車乗せてやっても…」
「あ、遠慮しまーす」
「はぁ！？」
うるさい鎌先さんをかわして背を向ける。
何かうしろでギャンギャン言ってるけど、まぁ笹谷さんが何とかするっしょ。
鎌先さんの車とか、俺まだ死にたくねぇもん。
「どっか寄って帰るかなぁ、…って」
バス停までを歩きながらせっかくの休日の過ごし方を考えてると、ふと反対側の歩道から声が聞こえた。
見れば男女が一組。
何話してんのかは聞こえないけど、女がそこそこデカい声出してるから、静かな場所にすげぇ響く。
どうせ痴話喧嘩かだろうと思うと、途端に腹立たしくなってくる。
こっちは彼女もいねぇし、たまの休みだってこうして病院来るくらいしかねぇっつーのに。
痴話喧嘩する相手がいるだけマシじゃね？
つーか痴話喧嘩なら他所でやれっつの。
「……ったく、見せつけてんじゃ」
『やめてください、！』
無意識に舌打ちが出て、向かいを睨んだ瞬間だった。
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さな(プロフ) - 柴田んぬさん» 柴田んぬさん、ありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2023年1月22日 22時) (
レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
柴田んぬ - このお話すごく好きです！応援しています^^ (2023年1月22日 16時) (レス) @page5 id: 8796ade977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2023年1月20日 18時
