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「…図書室?」

『え?』

「勉強、図書室でやってるの?」






冷静な声と表情に、緩みかけていた思考が引き締まる。


ダメだ。
最近、光くんのことを考えるとすぐに頭がお花畑になってしまう。






『はい。期末近いから最近人が多いんですけれど、やっぱり図書室が一番いいかなって』

「そっか」

『バレー部の練習終わりより先に閉まっちゃうのだけ、難点です』

「難点?」

『はい。バレー部と終わりが一緒だったら、光くんと帰れるかなって思ってたんですけれど』






そう上手くはいきませんね、と言いながら、
悔しさで眉間に力が入る。



図書室がもう少し長く開いてくれれば、タイミングよく光くんと帰ることができたのに。

図書室を出てから光くんをわざわざ待つのもどうかと思って、明かりの付いた体育館を横目に帰っている。


仕方のないことだと思っているけれど、
そのことを思うと、どうしても悔しさが出てしまう。





……あれ。





そこまで考えて、ふと我に返る。



そういえば、赤葦先輩はわたしが光くんのこと好きなの知らないはず。

だとすると、さっきの発言は非常にまずいのではないだろうか。



別にバレて困るような変な気持ちじゃない。
光くんへの想いは嘘じゃないし、大事なものだ。



でも、もし。








木兎さんにそんな不純な気持ちで近づいて、バレーに支障をきたしたらどうするんですか。


木兎さんの邪魔になります。
もうバレー部には来ないでください。








何て言われたら。

ないと信じたいけど。
でも光くんのことが大好きな赤葦先輩のことだから、万が一ってことがある。




光くんのことが好き。

でも、光くんも、バレーも大好き。
だからこそ、部活に顔を出す時には純粋にバレーを、バレー部のみんなを応援しようって思ってる。

そこに、光くんへの気持ちが微塵もないって言ったら嘘になるけど…



でも、光くんのため、バレーのため。
光くんのバレーの邪魔になるようなことだけは何があっても避けたい。




そのために、この気持ちは、光くんにも隠すって決めたんだから。

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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます!励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2022年11月30日 21時

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