12話: 七星空 ページ14
「ナホ〜!おっはよ〜!」
朝早いからかいつもより静かな教室に響く声。
声の主は御霊流空。かつて俺の愛した人だ。
交際とまではいかなかったが彼は俺の初恋の人だった。
「・・・!うん、おはよ」
「あれ、どったの?あ、もしかしてまだ眠いの〜?」
「・・うん。まぁそんなところ。昨日遅くまで勉強してたからかな・・・あはは」
今では別の人と交際してるけど、まだ彼には心残りがあるんだよね・・・
本当はずっと流空のこと考えてて「君のせいだよ」なんて口が裂けても言えるはずもなく・・・
俺が彼に恋してた、なんて事はもちろん彼自身は知らなくて。
俺はずっとこの気持ちを隠してた。
「へぇ〜ナホはえらいねぇ!夜遅くまで勉強なんて」
よかった。何とかごまかせたみたいだ。
「・・まぁね」
俺はこの気持ちを隠しているのに大変なのに、呑気だなぁ。
そんなことを思っていた直後、
「あ〜!伊月〜!」
彼は自分の愛する人を見ると、すぐさま俺の前から走り去ってしまった。
俺の遠目で嬉しそうに抱き合う二人を見ると、嫉妬で気が狂いそうになる。
彼のことは諦めたつもりだったのに。
「・・・俺の気も知らないで」
そういう俺の声は彼らの賑やかな声により虚しく響くだけだった。
さぁ俺も行こう。俺の愛する人のところへ。
*********
「あ!空ちゃん、おはよー!」
そう言いながら教室に入ってきたのは、
光牙くんは教室に入ってくるなり俺に抱きついてきた。
「空ちゃ〜ん!会いたかったよ〜!」
そういって俺の頬をスリスリする光牙くん。
可愛い。
「何言ってるの、光牙。昨日もあったじゃないか・・・」
「空ちゃんこそ何言ってるの!俺は空ちゃんに1時間以上会ってないと嫌なの!いや!10分でも無理!!」
「はは、ありがとう・・・・」
全く。流空といい、光牙といい、みんななんでこうも朝っぱらから元気なんだ。
でもまあ可愛いけど!!
「はっ! まさか空ちゃんは、俺に会いたくなかったの・・・!?」
「そ、そんなことないよ!?」
いや、俺だってね!理性を保つのに大変なんだよ!!
甘え上手な君とは同じにしないでほしいな!
・・・いや、ごめん。今の嘘。
キーンコーンカーンコーン・・・
聞き慣れたチャイムが鳴り、みんな自分の席に着いた。
「あ!チャイムなっちゃった!じゃね!空ちゃん!」
そう言って彼も席に着いた。
さあ今日も俺の楽しい一日が始まる。
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なるせ(プロフ) - 更新終わりました! (2019年5月6日 16時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 更新します! (2019年5月6日 15時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新終わりました (2019年5月5日 22時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新します! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
京将(プロフ) - 更新しました。ギャグ要素が抜けてしまった…! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 8bab4445ef (このIDを非表示/違反報告)
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