10話: 水縹晴乃 ページ12
「うぅ…やばい…今度こそ本気でやばい…!」
唇を噛みながら、先程返されたばかりのテストをくしゃりと握りしめる。
…くしゃくしゃのテスト用紙には赤ペンで大きく”16”と書かれていた。
16点…流石に酷すぎる!今回は結構頑張った方なのになぁ〜…。やっぱり、俺には国語の才能は皆無なんだろう。
以前のテストでは31点でギリギリ赤点は回避できたものの、今回は無理だ。
昔からそうだ。どうしても国語と社会だけは死ぬほどできない。
特に古文なんか理解不能。歴史なんて以ての外!文系は壊滅的だ…かと言って理数ができるわけでもない。
俺の武器は英語だけだ。
「はぁ…これじゃあ留年しちゃうかも…。この世から国語と社会なんて消えちゃえばいいのに!」
叶わぬ願いを叫ぶ。全く無意味な行為だが…。
…次のテストは取り敢えず25点を目指そう。10点台は抜け出したい…!
「ぐうう…!勉強なんて大っ嫌いだ…早く世登くんに会いたいなぁ…昨日からまだ一度も会ってないし…」
前まではかなり避けられていたものの、最近ではかなりの確率で彼も話してくれるようになった。
これはかなりの進歩。結構脈アリでは…?!
俺は割とこれに関しては期待してる。
このままいけば、もっと仲良くなれるかも…!じっくり仲を深めて…できるだけ親密な仲に。
いつか、彼と恋仲になることができたら…なーんて。…少しくらい、夢みたって許されるよね。
そんなことを考えていると、自然と口元が緩んできた。さっきまでの嫌な気分なんてウソみたい。
やっぱり、世登くんは俺にとって一番大切な人なんだ。
__必ず振り向かせるから、もうちょっとだけ待っててね。
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なるせ(プロフ) - 更新終わりました! (2019年5月6日 16時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 更新します! (2019年5月6日 15時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新終わりました (2019年5月5日 22時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新します! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
京将(プロフ) - 更新しました。ギャグ要素が抜けてしまった…! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 8bab4445ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ