二話 ページ4
少し過去の話をしよう。
私は時透家に産まれ落ちた、時透Aだ。
歳のふたつ離れた、兄が二人いた。双子だった。
決して裕福とは言えない家庭だったが、何ら不自由もなく生活出来ていた。
そんなある日の事だった。
私の喉から、不思議な音がする。肺が広がった感じがして、身体中熱っぽくなって、頭がぐるぐるした。
『お母さん…』
「あら、どうしたの?具合が悪そうね…熱ある?お医者様、どこに住んでいらしたかしら…」
温和な母だった。3人の兄妹を、平等に愛してくれていた。
「有一郎!Aが熱っぽいのよ。看てあげてて」
「わかった。A、大丈夫?」
『うん…』
いつまでたっても熱は下がらなかった。熱は下がらなかったが、体調は元に戻った。むしろ調子が良くて、兄の手伝いをしている時いつもは持てない荷物もひょいと持ち上げられた。
「A!熱が出てるんだから安静にしなくちゃでしょ」
『でも、あたまもぼーっとしないしむしろ調子良いよ!いまなら、むい兄ちゃんのお手伝いなんだって出来るよ!』
この会話を皮切りに、私の身体はどんどん変化していった。
山を駆け回っても息が切れない。兄の持つ物と同じくらいの荷物を軽々と持ち上げた。なんなら兄も持ち上げた。
親や兄たちには不思議な目で見られていたけど、変わらず愛してくれた。
「きっと神様が何か、下さったんだわ。きっと良いものよ。A、丈夫に育ってくれて良かったわ。私は身体がそんなに強くないから…」
神の恩恵だと、素直に喜んだ。
そんな時だ。私は母と日が暮れて間も無い時に、湯を沸かすため外へ出ていた時のこと。
「あら…薪がたりないわ。昼のうちに置いておいてって言ったのに…A、たぶんあっちにあるから取りに行きましょう」
『うん!』
薪のある場所の横に、それが潜んでいたのだ。
「ははっ!女だ!女子供の柔らかい肉!久々だ!」
「誰!?」
母の叫びと同時に、それが母へ飛びかかった。
『お、お母さん!!』
それが母へと触れる直前、手元にあった薪を思い切り投げつけた。
凄まじい速度で飛んで行き、それの頭を貫いた。
血が飛び散る。
「がっ…!小娘…やるじゃねえか」
そういいニンマリ笑うそれは瞬く間に頭を再生させ、標的を私へと変えた。
真っ直ぐ飛びかかってきて、膝が震え…
母の怪我を目にした。飛びかかられた時、擦りむいたのだろう。
怒りが込み上げ、落ちていた斧を持って私も飛びかかっていた。
600人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時