十七話 ページ19
目の前にぬっと手が伸びてきた。
ばっと低く屈み、刀を鞘からスラリと抜く。
その勢いで上に向かって刀を振り、伸びてきた手を切り落とした。このまま身を翻し、首を落とーー
『っ!?』
腕が。鬼の腕が、二本…三本。四本。まだある。指では数えられないほどの、たくさんの腕。
見落とした。
「捕まってる…」
捕まってる…じゃない。助けて欲しい。何本もの腕で私は宙吊りにされている。
…まあ、私もこのくらいでは死なない。兄もそれをわかっているから今動き出したのだろう。
「霞の呼吸、弐ノ型。八重霞」
私を取り巻く幾多の腕を一瞬で全て切り落とした。流石柱。
腕の拘束が解け落下した私は受身をとり、技の姿勢に入る。
『存在の呼吸、壱ノ型…有無相生!』
有無相生とは、有があるから無がある、無があるから有がある、絶対的なものではなく相対的なものであるということ。
鬼は人を殺す。だから、人も鬼を殺す。自然と急所に吸い寄せられる、速度を重視した一太刀だ。
首を切った。頭がぼとりと落ちた。
「もう死んだの。弱いね」
『そうですね』
柱が呼び出されるなんて、こんな弱い鬼なのに…と言いかけて、兄は突然刀を抜いた。
「肆ノ型、移流斬り」
私に伸びかけていた腕を切り落とした。
『…やっぱり、まだ生きていますか』
「首を落としても死なないの…」
頭が再生した。その鬼の目には、数字が刻まれていた。
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シャンプー(プロフ) - ゆーさんさん» 不快に思われたのなら申し訳ありません。注意書きを付け足しておこうと思います。 (2019年8月9日 12時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - あくまで二次創作ですので、時透母についてはこういう人なのだというような感想を持たないようにお願いします。 (2019年8月8日 17時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - にこちゃんさん» ありがとうございますー!!!私も時透くん推しです!!じわじわ書き進めておりますのでまったりお待ちくださいませ…!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
にこちゃん - 私、推しが時透君なので嬉しいです!更新待ってます!応援しています!! (2019年7月22日 21時) (レス) id: 5d74a38634 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!時透くんかっこかわいいですよね!頑張ります…!! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 2be3b2296e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャンプー | 作成日時:2019年7月22日 1時