依存症。 (ページ26)

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あの時の事を思い出して
「はぁ･･･」とため息を吐くと
それを見てたコウヘイさんが
「どうした？悩み事？」と聞いてきてくれた。

「うーん、自分自身にちょっと幻滅してる...」

そういうとコウヘイさんが「これのみな」って
フローズンマルガリータを出してくれた。

「これのカクテル言葉知ってる？」
「え、知らない」
「”元気を出して”」
「…。」
「Aちゃんは笑ってる顔が素敵だよ」
「ありがとう･･･」

コウヘイさんってキザだけど、
･･･だからこそ？めちゃめちゃいい人だなぁとしみじみする。

私は犬のお友達がいなくなった時も
人間のお友達が離れていった時も
あの人が私の事なんか振り向かずに出て行ってしまった時も、
ずっとずっと笑ってて、というか笑ってなきゃいけないって思ってた。

だから周りからは｢バカだ(笑)｣とか
｢Aちゃんっていつも笑ってのんきだよね(笑)｣
とか言われたりもした。

でもそれが誰にも嫌われずに自分を守れる術だった。

そんなとき北斗と出会って

｢本当のバカは勿論いるけどAは違う。
バカだねぇって言われるのはバカっぽく見せてるAの賢さでしょ？｣

｢いつも笑ってる人ってその分いろんな思いしてるからさ…｣

って言ってくれて本当に、涙が出そうになるほどうれしかったんだ。

それに「いなくならない」って言ってくれてさ。

北斗には母子家庭ってことしか伝えてないから私の奥の寂しさは知らないはずなんだ。

でも私を肯定してくれて欲しい言葉もくれて。

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