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「あのね、今日お通夜で、人がいなくなるって事を色々考えちゃって、
北斗もこのまま帰ってこないんじゃないかな、とかも思っちゃって…」
途切れ途切れで話す私を落ち着かせるように背中をさすってくれる。
だけどそれがさらに涙を誘うの。
「A、待たせてごめんね」
って謝ってくる北斗に抱きしめていた腕を緩めて目を合わせた。
「待つのは慣れてるしつらくないの。
・・・一番つらくて怖いのは帰ってこないことだよ」
そういうと北斗は瞳を揺らすから、
自分がその痛みを感じてるような顔をするから。
私はずっと堪えてた涙が一気に出てきちゃって。
もうそうなったら何もかも押さえられなくなって北斗に
「絶対いなくならないって約束して・・・」
って言っちゃったんだよね。
言った後、かなり後悔した。
いなくなろうとしてるのは自分じゃん、
自分だけそうやって求めるのはって。
でもその時は本当に不安で、ひとりぼっちが怖くて。
頭で考えて行動したいのにその時の感情で動いてしまう。
北斗に対してごめんねって気持ちも重なって
もう私の視界は涙で歪んで何も見えなくなるほどだった。
でも北斗は拭っても拭っても拭いきれない私の涙を拭ってくれて、
「あぁもうそんなに泣かないの(笑)」
って優しく頭を撫でてくれた。
その後に「A?」って言われたから涙でぐっしゃぐっしゃな顔で北斗を見ると
「俺はいなくならないよ。」
って。
その約束は不確かなもので、
北斗自身もそれをわかって
だけど私を落ち着かせるように言ってくれたんだ。
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作者名:やま x他1人 | 作成日時:2019年6月23日 0時