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歯磨き。 ページ16




朝。

北斗の家で起きた朝は先に起きた方がご飯を作る。
まぁ、例により私は朝も弱いのでほぼ北斗だけど。



今日も北斗に

「時間は?大丈夫なの?」

って起こされて。


無言で手伸ばしたら起き上がらせてくれてそのまま正面から抱きしめられた。

しばらく抱きしめられたままだったから
私はまた寝てて。


「A?おきた?」


って言われたから私は何も言わず頭を振る。

そしたら笑って

「…(笑)朝ごはんできてるよ」

って頭ぽんぽんしてリビングに戻ってった。


…ここまで来ると私なんかのどこがいいんだ?って本気で思うけどさ。






ご飯も食べ終わって二人で洗面所。

私が何も言わなくても歯磨き粉を付けようとしてくれるんだけど

少なくなってきたのか絞るように出して歯ブラシにつけてくれた。


私はそれを口に含んで

お返しに、と歯磨き粉をしぼり出そうしたら

北斗がさっきめっちゃ絞り出してくれたからちょっとしか出なくって。



「あはっ」って私が笑って

「絞りすぎた〜」って北斗が笑うの。




凄い幸せな時間でさ。

昨日意識が遠のく中で聞こえた"もう戻れない"って言葉を考えるんだ。




私もそう思うよ。
もう戻れられない所まで来ちゃってる。

こんなに幸せだと感覚が麻痺しちゃうの。

だって私達、付き合ってからお部屋の中でしか会ってないよ?

おうちデートは凄い好きだけどさ。
でもさ、って考えちゃうの。



ねぇ北斗?幸せなのに泣けてくるってなんなんだろうね。





「しょうがないから私の歯磨き粉わけてあげるね」

「おい!それ一回口の中入れたやつだろ!!」

「ほくちのあほんだらぁ!もう知らん!!」

「なんでだよ!!」






こうやって泣きたい気持ちも笑って誤魔化したら

幸せも誤魔化されちゃうのかな?なんてさ。





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作者名:やま x他1人 | 作成日時:2019年6月23日 0時

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