依存症。 (ページ2)

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｢こっち来て｣ページ2

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だからと言っていつも暗いわけではない。
むしろめちゃめちゃふざけている。

私達は基本お家デートで、だけどお互いが違う事をしている。

本を読んだり映画を見たりお昼寝したり携帯見たり。

だけど北斗は基本寂しがり屋だからくっついていたいんだろう。

すぐ私の事を呼ぶ。

今も北斗がリビングの方から呼んでるんだけど、私はベッドから起き上がれない。

｢Aー？｣
｢んー？｣
｢ちょっとこっち来てー！！｣

ってなかなかでかい声で。
だけど呼ぶくせに大したようもないから最近は返事だけする。
…あと、もう一つ呼ばれても行かない理由があって。

｢…Aー？｣
｢なにー、｣
｢リビングきてー｣
｢んー｣

私が全然行く気のない返事をしてると

｢A？来てって言ってるじゃん。｣

って拗ねたように北斗が私の所へ来てくれる。
そうして私の手を引いてくれるからそれが嬉しくて。

｢…何？なんでそんなニヤニヤしてんの？｣

｢北斗はどこに、｣

何も考えずに言おうとした言葉を途中で止める。

｢どうした？｣

｢…北斗はさ、わんこみたいだよね！｣

｢なんだそれ(笑)｣

って笑う顔はやっぱりわんこで

"ほっくん私に従順だね～！"って頭をわしゃわしゃすると

"従順じゃなくて好きだからわがまま聞いてあげてんの"って上から言ってくる。

素直じゃないなぁ(笑)

そんな北斗にニコニコしながらさっき言ってしまいそうだった言葉を思い出す。

"どこにでも来てくれるなぁって思って"

この言葉に深い意味はないけど、

きっと北斗なら"どこへでもいけたらいいのにな"って言うかもしれない。

その言葉を私が言ったら自分の立場を思い出してまた苦しんでしまうかもしれない。

いつ壊れても仕方ないグラグラな私達は、言葉を選ぶ事が多い。

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