声だけしか........S.K ページ7
「電話出来て嬉しい」
「ようやくね」
「いま話してても大丈夫?」
「少しだけね」
「声、聞きたかった」
「俺もだよ」
「何考えてるかなーって思ってた」
「熱ある時ってこんな感じだったなーとか、どうなるのかなとか、あとは悪い夢よく見てたかな」
「調子悪いときって変な夢見るよね」
「どうせなら幸せな夢見せてくれればいいと思うけど、やっぱり心は体の影響受けるよな」
「これからはいい夢見れるよ、きっと」
「Aの声聞いたから、少しはマシになるかな」
「……珍しいこと言うね」
「たまにはね」
「大好きだよ、シゲ」
「うん」
「早く会いたい」
「そうだね」
「会いたい」
「………うん」
「でも、シゲが元気になってくれれば、本当はそれだけで幸せなの」
「そんな悲壮な感じにならないでよ」
「そうじゃないんだけどね、伝えたかったから」
「うん」
「だいすき」
「うん、はやくAを幸せにしないとね」
「そうだよ、みんな待ってる」
「うん」
「顔みて言いたいな」
会いたい会いたい会いたい。
でも、ゆっくり休んで欲しい。
たくさんお仕事してたから。
みんながあなたに期待してる分、忙しくなっちゃうんだよね。
でもいちばん大事なのは、あなたがいてくれることだから。
わたしたちは待てるよ。
ゆっくり治してまた、手を取って歩いていこうね。
手は離さないからね。
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作者名:由乃 | 作成日時:2020年10月27日 11時