NEWS日和 2 (ページ15)

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ウソツキ‥‥‥‥K.K. ページ15

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｢けいちゃーん、やさしくしてーーー！！！｣
｢どしたのどしたのー？｣

玄関から入るなり大声で叫んだわたしを、けいちゃんは優しく出迎えてくれる。
大きめのやわらかなベージュのセーター、スキニージーンズ。
脚長のけいちゃんに似合うきれいな格好で、片手になぜかおたまを持ってて。

｢……何か作ってるの？｣
｢寒いから、Aちゃんにスープでもあげたいと思って｣
｢！ありがとう～いっつもいっつも、けいちゃんてホント最高！｣

けいちゃんは手に持ったおたまをキッチンに置いてから、サッと戻ってきてわたしのコートを受け取ってくれる。
ブラシでさささと埃を払ってハンガーに。
どこかの良い奥さんなのかしら。

お部屋もきっちり片付いている。生活感のない部屋。けいちゃんと同じくらいピカピカにきれいなものたち。

｢んで、どーしたの？｣
｢ああ、あのね｣

手袋をすっと外してくれる。何をするにもスマートなけいちゃん。

｢また、彼がさ｣
｢まぁた何かしたんだー｣
｢そうなんだよ……今度こそもうダメかも｣
｢何回目よ、Aちゃん可哀想に｣

すっと背中のファスナー落として、首筋にくちびるを這わせる。

｢んん｣
｢こんなに可愛いのに｣
｢きっ、と、かわいく、な｣
｢可愛いよー｣

けいちゃんは声まで優しい。
耳元であまーくやさしく響く声。

｢こんなに可愛いんだから、俺なら大事に大事にするのにな｣

足元に丸まって落ちた衣服をさっと避けて、肩に落ちる髪をすうっとなぞる。

｢Aちゃん、俺のものになればいいのに｣
｢だって、けいちゃん、だって、あ｣
｢俺の準備はいつでもできてるけど｣
｢え、待って、あ、ちょ、やだ、電気消して｣

けいちゃんは触れる手までやさしい。
優美な手に触れられると、どこまでも気持ちいい。
嫌なことはなにもかも忘れられる気がする。

だけど、もし彼女になってしまったら。
あの人と同じかもしれないでしょ？

けいちゃんにはいつまでも特別でいてほしいから。
だから、ワガママを許して欲しい。

｢ねえA、俺にしなよ｣

吐息と共に言われる言葉に、首を振って応えるのがいつもの儀式。

けいちゃん、いちばん大好きだから。

ずっと、ずっと、そばにいて。