3150組と私。 (ページ49)

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昔と私ページ49

元木湧main

昔から俺らは仲が良かった。
普通の友達とは違う何かがコイツらにはあったからだ。

俺らは、いつも学校のトップにいた。
今で言ういわゆる陽キャってやつ。

それは、俺自身もそう思ってた。
昔から誰とでも仲良くなることができたし自然と友達も増え、いつの日かみんなが俺を求めるようになっていた。

俺はその優越感に浸っていたんだと思う。

中学に入っても結構マトモな人生を過ごせてたし、あいつらとふざけ合って、とことん楽しんでた。

だけど、ある日から俺は自分に自信が無くなった。

それと同時に女が無理になった。

俺は、いつもと同じようにあいつらと5人で遊んでて、ちょっとしたらクラスの女子や男子も混じって
みんなで楽しくお喋りしていた。

だけど、教室を出て少し経った頃また戻ったら、教室には女子しかいなくて、盗み聞きしちゃお〜と女子が話していたことを聞いた。

「わくってさ、いつも調子乗ってるよね」
「他の4人はかっこいいのに湧くんだけちょっと、ねぇ？笑」
「しかも、ギャグ面白いって思ってんのか知らないけどめっちゃつまんないし笑」
「まじできらい」
「はやくあの5人じゃなくて湧抜けた4人にならないかなー」

俺は、その女子達が何を言ってるのかさっぱり分からなかった。

だって、いつも仲良くしていた女子達だったから。

俺は自分の顔には自信が無いし、ギャグは正直俺でもつまらないと思ってる。

みんなが、かっこいいって言ってるのはいつもあいつらで、俺には言ってないことだってわかっていた。

わかっていたけど、人気者の俺が、俺がいなきゃダメなんだって俺の方がみんなに依存してたんだと思う。

俺は、あの陰口が頭から離れなかった。

「もしかしたら、あいつらもそう思ってるかもしれない。」

俺は罪悪感から、その日からあの4人とクラスのやつら全員避けた。

当然みんなからは心配された。

陰口言ってたあいつらからも心配された。
意味がわからない。なんで嫌いな相手をわざわざ心配するのか。

あぁ、なるほど。

あいつらと仲良くなりたいから。
かっこいいあいつらと仲良くなりたいから。
あの4人と仲良くなりたいから。

だろ？どーせ。

昔から仲良かったせいか、あいつらはおれがどんなに避けても、仲良く話しかけてきた。

こんなに、付いてきてくれる友達は初めてだったから俺は一生こいつらと離れたくないと思った。