薇仕掛けの殺人鬼【文豪ストレイドグッス】

3話…子供 ページ5

私専用の調理室で調理をし終わり、廊下に出たところで黒い外套(コート)を羽織った人物に出会った。


｢あ、龍之介さん｣

｢……なんだ、その返り血｣


その問いに答えずに、目をそらさないままゆっくりと後退する。｢御前、僕を熊か何かと勘違いしているのか｣と呆れられた目で見られた。


｢てか上司に向かってその口の聞き方は無いんじゃないかなあ｣

｢御前を上司と思うのはもうやめた｣


何か失礼なことを云われた気がするが気にしないことにした。
そして｢龍之介さんは何処行くの？｣と聞くと、面倒臭そうな顔をしながらこう答えた。


｢仕事だ。"人虎"を捕まえる｣

｢へえー……ねえ龍之介さん｣

｢断る｣


｢なんで！？まだ何も云ってないのに！｣と黒い外套にしがみつく。龍之介さんは｢どうせ"連れていけ"とかだろう｣と冷静に云う。
なんで毎回こうも冷たくあしらわれるのだろうか。まあ用件が解っているなら話は早い。


｢幹部補佐命令！付いていく！｣

｢断る｣

｢解ったよ！もう良いよ！｣


子供っぽい捨て台詞を吐いてその場から立ち去った。

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