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一日の授業全てが終わると
途端に騒々しくなる教室。
「うわ今日基礎練習の日じゃんクッソ」
なんてボヤく運動部の隣で
頬杖を付き窓の外を眺める。
部活楽しそうでいいな。
ああ、今日図書部無いって
棗ちゃん言ってたし、帰るか。
と、
ブレザーのポケットの中で
スマホが震える。
父からのメッセージが2通。
『この前話した件で、
また話す事があるから
授業が終わったら教えてほしい。
柴山を向かわせるよ。
帰ったら話そう。』
「ッハ、」
血の繋がりは一ミリも無い父からの
メッセージ。
家族ではあるものの、
どこかよそよそしさを感じる文に
思わず笑い声が漏れた。
『佳奈と一緒に帰ってくるように』
続けて送られて来たメッセージを見る。
佳奈という人物へと目を向けると
無邪気に友人と笑う姿が目に入る。
スマホの電話帳開くと
履歴の一番上の人物へと繋ぐ。
『はい、柴山です。』
「柴山さん、父さんから
聞いてると思うけど、
あと一時間後に迎えに来てくれる?」
『畏まりました。
佳奈様もご一緒ですか?』
「あー…、うん。一緒。それじゃ」
プツリと電話を切ると
大きな溜め息が出た。
いつの間にこちらへ来たのか
目の前の空いた席に
腰掛けた人物へ視線を向ける。
「陽、お前そんなでかい溜め息
吐いてたらモテないぞ」
「風介と違って十分モテてるよ…、
って、うわ!」
言い終える前に、顔目掛けて
飛んで来た消しカス。
「てか今日はどの部活に助っ人行くの?
バスケ部?ウチ?」
「サッカー部今日基礎練らしいじゃん、
だから行かないよ」
「は?うわ〜まじか、キツ」
頭を抱える風介に
思わず笑っていれば
また消しカスが飛んで来た。
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作者名:Ritz | 作成日時:2013年11月6日 22時