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今度は手を引いて家の中へ入り、そこで思った。
私、まだこの人の名前も聞いていないし、自己紹介もしていない。
…河原で見つけたところを半ば強引に家まで連れてきてしまったわけだが、名前くらい聞いておくべきだった。ずっと"少年"とか"彼"だとか呼んでいた。
「遥、救急箱とってきたわよ」
「ありがとう。後は私が……お母さん、お味噌汁」
「…火にかけっぱなしだわ」
母は急いでキッチンに戻った。我が家の夕飯の味噌汁は毎回吹きこぼれの危機にある。
「…こっち。まずはその血を落としましょう」
大分固まったものが多いが、まだ滲み出ている場所もある。
洗い流してタオルで拭き、傷口が塞がっていないところは絆創膏…
彼はまた、黙ってされるがままだった。
.
.
.
所変わり、リビング。目の前には、彼。
母に玄関の壁(崩落)のことを話したが、「あらそう、直さなきゃね」で終わった。
私と鋼兄さんがいろいろ壊したから慣れっこなのだろうか。
…力加減は未だよくわからない。
「…あの」
「…何」
反応は返してくれる。
「私、赤獅遥といいます。…名前、教えてもらえますか？」
質問に返答してもらえるかはわからないが。
「……志村、転弧」
「……」
「何呆けてんの」
「…いや、割とあっさり答えてもらえたなぁと」
「別に、先に名乗られたし…返した方がいいだろ」
…案外簡単に返答がもらえたことに驚いた。必要ない、とかで断られそうだと思っていた。
「…遥」
「あ、なんですか？」
「…なんか、慣れてるな。手当」
「あぁ、ちょっと、空手…みたいなことをしていて。怪我はよくあるんです」
(主に力加減の間違いで、なのだけれど)
鋼兄さんの蹴りを防ぎきれなかったときがひたすら痛かった。傍目から見ても痛々しい内出血になった(後で謝られた)。
閑話休題。
…玄関のあのことは、聞いていいものだろうか。
個性とか、地雷である人も少なくないらしいが…
…返してもらえたらいいか、くらいの構えでいよう。
「…転弧さん」
「…？」
「玄関のあれは…個性、ですよね」
＊＊＊
一旦切ります。
(2次元の)子供可愛い。
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らべんだー - いつも楽しませていただいてます！アリババ君は出てくるのでしょうか、、出てきてほしい！です！ (2020年5月6日 1時) (
レス) id: e9a4cf0eda (このIDを非表示/違反報告)
AYAAYA(プロフ) - 握力で測定器へし折りそうだねー (2019年6月22日 17時) (レス) id: df90ade64c (このIDを非表示/違反報告)
李鈴(プロフ) - あぁぁ、最っ高！こういうの欲しかったんです！ありがとうございます(><) (2019年2月12日 9時) (レス) id: ff3f8f1243 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2019年1月8日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
やっかちゃん(プロフ) - 夢小説読みまくった私にとってはそんなに違和感は感じないですが、作者さんの好きな風に書くものですから、今考えてるという案で全然問題ないと思いますよ！最後に、ヒロアカの推し全く一緒でした嬉しいですいつも楽しく読んでます更新楽しみにしてますね！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: 37cb2170f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2017年8月28日 6時
