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目の前の人は、私が知っている人なのか。
それとも、似て非なる人物か。
母から聞いた個性の内容はファナリスのそれであったため、一縷の望みにかけて、言葉を発する。
彼の、昔の名前であるはずのものを。
「マスルール、さん…？」
私の言葉に、彼は一瞬だけ目を見開いて、
「個性、か……モルジアナ」
応えるように、私の昔の名前を呼んでくれた。
結論から言えば、私達2人は個性とともに記憶も甦った。
父も帰宅して夕飯を食べ終えた後、個性のことや記憶のことなど、マスルールさんから簡単に説明をしてもらった。
前世の記憶は誰にも伝えていない。
私達以外の「あちらの人」とは、会っていない。
どうやら、ファナリスの力はそのまま扱えるらしい。
「…で、今は家に道場のような場所が欲しいと交渉中なんですね」
「…ああ」
体は小さいながら、力を自覚すると扱ってみたくなるもの。
それに加え、体を動かすのも好きだし、強くなれることは嬉しい。
…道場が欲しいと言っているあたり、彼も鍛えているのだろうし。
「また、稽古をつけてもらえますか？」
「…強くなる必要はないが」
「私が、ただ強くなりたいだけです。…それに、必要がなくとも、マスルールさんだって隠れて特訓してるでしょう？」
「…まぁ、公共の場では使えないからな」
「強くなりたい」と思うのは、戦闘民族の本質からだろう。
「…いいぞ、稽古の話。受けてやる」
「…え」
「ただし、2人きりのときだけだ」
「じゃあ私も道場欲しいです。2人で頼み込みましょう」
同じ力と、同じ記憶。共有できる存在が、とても安心する。
少し幼くなって、少し饒舌になっている兄と私。
これからも、兄として。そしてまた、師として。
「よろしくお願いしますね、…鋼兄さん」
「ああ、…遥」
マスルールさん――もとい鋼兄さんは、ぎこちなく微笑んで、頭を撫でてくれた。
＊＊＊
ファナリスコンビ可愛くてつらい。
異論は認める。
＞＞簡易設定・お兄ちゃん
赤獅 鋼(ｺｳ) (マスルールさん)
現時点では10歳くらい。遥さんと同じファナリスの個性。
たくさんのお気に入りと評価ありがとうございます…！！
正直自分でも何書いてんだろうとか思ったり原作まで遠いなぁとか思ったりするんですが、暇つぶし程度に見てくだされば嬉しいです…！
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らべんだー - いつも楽しませていただいてます！アリババ君は出てくるのでしょうか、、出てきてほしい！です！ (2020年5月6日 1時) (
レス) id: e9a4cf0eda (このIDを非表示/違反報告)
AYAAYA(プロフ) - 握力で測定器へし折りそうだねー (2019年6月22日 17時) (レス) id: df90ade64c (このIDを非表示/違反報告)
李鈴(プロフ) - あぁぁ、最っ高！こういうの欲しかったんです！ありがとうございます(><) (2019年2月12日 9時) (レス) id: ff3f8f1243 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2019年1月8日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
やっかちゃん(プロフ) - 夢小説読みまくった私にとってはそんなに違和感は感じないですが、作者さんの好きな風に書くものですから、今考えてるという案で全然問題ないと思いますよ！最後に、ヒロアカの推し全く一緒でした嬉しいですいつも楽しく読んでます更新楽しみにしてますね！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: 37cb2170f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2017年8月28日 6時
