【歌い手】車椅子歌い手3【男主】

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『ありがとう…』




俺がそういったら、優はすぐに病室を出ていった



ほんとにありがたいなあ。こんなわがままを聞いてくれて




熱で頭もボーとしていて手もほどんど動かせない


たぶん背中に褥瘡ができているのだろう。そのせいでうつ伏せか横にしかなれない



正直、こんな状態で100％力を出し切れる曲を作れる気はしない




それでも、助けてもらえるのなら作るしかない




そう言えば、パソコンとか曲を作るものとかはどうするつもりなんだろう




まあ、そもそも医者が許可を出してくれるのか分からないけど




今度からは作業する時、気をつけないと…





さ「A、持ってきたで」



『ありがとう…どこで借りてきたの？』



さ「あー、まふが貸してくれたんよ。あとでお礼を言っときなよ」




『わかった…』




まふくん…かな。救急車を呼んでくれたの




最後にまふくんの顔を覚えているような気がする



さ「えーと、どのソフトや？」



『そこからは…俺がする』




優がパソコンを受け取り、力を入れ、腕を立てる




この体勢なら…



良かった…まふくんが使っているソフトと俺のソフト同じだ




覚えてるメロディを打ち込んでいく





『ここ…トゥルル…はぁ、はぁ』




メロディを歌うのが辛い…息が切れる






さ「俺が…手伝うから。メロディ歌うわ」



『え、あ、ありがとう…じゃあ』



ーｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ


ま「ちょっと待って、僕も手伝う！」




走ったきたのか、息を切らしたまふくんが病室へ入ってきた

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