第102話 ページ8
『うん。私が寝不足で倒れた時、病院まで運んでくれたし、一晩中そばにいて慰めてくれたの。』
メ「やはり信用して大丈夫そうだな。安心してAを嫁がせられる。」
ママは私の左手を握ったまま私の隣に座った。ママの方が小さいなんてなんだか変な感じ。
メ「それにしても高そうな指輪だな。相手はどんな人なんだ？」
『とっても優しくてかっこよくて頭も良くて、真面目で誠実なひげが素敵な人。秀吉も真純ちゃんも気に入ってくれたから、きっとママも気に入ると思う。』
メ「そうか。なんだか務武さんに似ているな。私と男の趣味が同じだ。」
『だってママの娘だもん。それとね、実はその人、亡くなった彼氏のお兄さんなの。出会ったのは偶然なんだけどね。』
メ「それなら、尚更Aを大切にしてくれると信用できる。Aが結婚するなんて務武さんが聞いたら泣いて喜ぶだろうな。」
『そうだね…』
時計を見ると、この部屋に来てからずいぶん時間がたっていた。
『ママごめんね。もっといっぱい話したいけど、部屋で高明さん…あっ、婚約者の人が待ってるから、早く準備しないといけないの。』
メ「彼も東京に来ているのか？」
『うん。私は狙撃事件の捜査で忙しかったから、代わりに真純ちゃんの面倒を見てくれてたの。』
メ「そうか、ますます信頼できる男だな。」
ママにも手伝ってもらって真純ちゃんの荷物をまとめ終わった。普段からホテルを転々としているからか、元からまとまっていたものもある。
まとめた荷物を持って部屋を出ようとドアの前に来たところででママに呼び止められた。
メ「私たち家族は奴らのせいで数奇な運命をたどってきた。務武さんと秀一は死に、私もこんな姿だ。だから子どもたちには普通の生活をさせてあげることができなくて本当に申し訳ないと思っている。」
『ママ、心配しないで。確かに普通じゃない部分もあるけど、そのおかげで今の私があるわけだし、私を大切にしてくれる人にも出会えた。私はこの家族に生まれて本当に良かったって思ってるよ。』
メ「ありがとう。私もAが娘で良かったよ。私はこの先どうなるかわからないが、Aは婚約者の彼と幸せになるんだぞ。」
『うん。』
ママとしばらく目を合わせてから部屋を出た。
ママの言う通り、私たち家族は普通じゃないかもしれない。
でも、そもそも家族や経歴に普通なんてないと思う。私の周りが訳ありな人が多いからこんなこと思うんだろうけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おひたし(プロフ) - ちー子さん» コメントありがとうございます。説明が不足して申し訳ありません。パスワードは半角小文字で英単語6文字を入力していただければ開くと思うのですが、どうしても開かない場合はまたご連絡ください。 (2019年12月15日 7時) (
レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ちー子 - いつも楽しみに見てます。番外編のこと何ですがパスワードを入れても開かないですが、パスワードは入力の上のパスワードでいいんですよね。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: e1506e4f67 (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - かずささん» コメントありがとうございます！私も諸伏警部が大好きで、諸伏警部の作品が少ないのでこの話を書き始めたんです。楽しんでいただけて私としても嬉しいです！これからもよろしくお願いします！最近忙しいので、更新はもうしばらくお待ちください… (2019年11月28日 10時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 諸伏警部大好きです！あまり諸伏警部落ちの作品がないのでこの作品を読めてとても嬉しいです！！更新されるのが楽しみです！応援しています！頑張ってください！！！ (2019年11月27日 0時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - おひたしさん» はい！これからも五月雨でよろしくお願いします！ (2019年11月6日 19時) (レス) id: d7c3512a33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おひたし | 作成日時：2019年11月4日 14時
