【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

第133話【服部平次と吸血鬼館】 ページ45

階段の一番先は行き止まりになっていて、リモコンを押してもどこも開かない。このリモコンは隠し通路の扉のリモコンではないのか。


手探りで天井の取っ手を見つけ出し、引き戸を引いてみた。隠し扉の向こうには何か布のようなものが見える。


『コナンくん、たぶんここは絨毯の下なんだけど、絨毯めくってくれない？』


返事はない。まさか無視された⁉無視は一番辛いよ。


コナンくんが無視するわけないとわかっているので、再び電話をかけた。


『ちょっとコナンくん、旦那様の部屋で待っててって言ったよね？』


コ「あ、ごめんなさい。平次兄ちゃんと部屋で待ってたんだけど、外で大きな音がして窓の外を覗いたら森が燃えてたから、何が起こったのか今から聞きに行こうと思ってて。」


『そういうことか。隠し通路は見つかったから、写真のことも聞きたいし、今からそっちに行くね。』


隠し扉の引き戸を閉め、階段の一番上の段にボールペンを置いてから隠し通路を出た。


廊下にできている人だかりの中にコナンくんと平次君がいるのを見つけて近づいた。


『大きな音と森が燃えてた原因は判明したの？』


平「原因不明の爆発でトンネルが崩れたらしいで。ここに来る道はあそこだけやから、大滝ハンらは帰ってこられへんな。」


旦那様もまだ見つかっていないし、長女の守与さんも姿をくらませているのだそう。


トンネルの復旧にも時間がかかるみたいだし、今日は家に帰れそうにないな。早く高明さんに会いたいのに。


実那「そういえば、岸治兄さんも見ないわね。」


麻信「岸治なら一応、さっき撮った写真を現像してみるって言ってたよ。自分の部屋を暗室にして。」


瑠璃「けど今時、アナログカメラって珍しいわよね。」


岸治「悪かったな、アナログ野郎で。」


三男の岸治さんが一枚の写真を持って現れた。旦那様が今どうなっているのかがわかったらしいんだけれど…


岸治「あの娘らの言ってた通り、写真を撮ったあの部屋に、俺達のそばにいたんだよ…壁をすり抜けられる化け物に成り果ててな…！」


岸治さんが見せてくれた写真には、守与さんと羽川さんの間の鏡に、口から血を流した旦那様の顔が幽霊のようにフワーっと写っていた。


カメラはアナログだし短時間でフィルムに細工ができるわけもない。これはまさに心霊写真。


平「その写真、預からしてもらえへんか？」


コ「本当にそう見えたかどうか厨房にいる蘭姉ちゃん達に確かめてもらうから。」

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