【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

第126話【服部平次と吸血鬼館】 ページ38

《No side》

大阪府警本部長服部平蔵に頼まれて、大滝警部は群馬と埼玉の県境の山奥に建つ洋館に向かっていた。


車を運転しながらも、大滝警部の頭の中は本部長から言われた「血ィ吸われんようにな」という言葉でいっぱいだった。


平次「何を吸われるっちゅうねん？」


大滝「へ、平ちゃん⁉」


大滝警部が驚いて振り返ると後部座席にはコナンと平次がにやついた顔で座っていた。


二人は大滝警部がガソリンスタンドでトイレに行った隙に車に乗り込んだのだ。後ろからは小五郎たちも尾行している。


平「けどまさかこっちに女がおるとは思わへんかったけど。」


コナン「蘭姉ちゃん達もちゃんと紹介して欲しいって言ってたよ！」


大滝「あ、いや…見せられるようなええ女やないんで…」


コ「じゃあ教えてくれる？どんな事件なの？」


平「事件なんやろ？オレに内緒っちゅう事は親父がらみとちゃうか？」


コナンと平次の読みは正しく、大滝警部は二人にこれから行く館の近くで起こった奇妙な事件の話をした。


大滝「それで今晩、遺産相続の会議があるそうなんやが、被相続人のその館の主の様子がおかしいらしくて、警察関係者に会議に同席して欲しいて頼まれたんや。」


コ「でもその館の近くで妙な殺しの事件があったのに、同席する警察は一人で大丈夫なの？」


大滝「本部長が友人に頼んで長野県警からも誰かを派遣してくれたらしいんやけど、どんな人かわからんから何とも言えんな。」


平「まぁ、その人がヘッポコやったとしても、なんかあったらオレらで対処するさかい、大丈夫やて。」


館へと続くトンネルを越えたところで、大滝警部の車の前方に一台の車が走っていた。


大滝「ん？こんなとこを京都ナンバーが走ってるんはおかしいなぁ。この先は例の洋館しかないっちゅうのに。」


平「ほんまや。しかも高そうなレクサスやし、観光客が道間違えたんちゃうか？」


コ「あれ？あの車、A警部じゃない？車種も色もナンバーもA警部のと同じだよ。」


大滝「A警部？」


コ「長野県警捜査一課の刑事さんだよ。」


大滝「ほんなら本部長が長野県警に頼んで派遣してもらったんは、そのA警部っちゅう人なんか。」


平「わりと頭のキレる刑事やから心配いらんで。ま、かなりのべっぴんさんやから大滝ハンが惚れてまうっちゅう心配はあるけどな。」

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