宮治と赤い糸で結ばれています

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バタンと、扉がしまる。

それと同時にお母さんが床に座り込んだ。



「お母さん、大丈夫？」




「ッ、…ごめッ、ごめんね、Aッ…」



お母さんは泣きながらあたしを抱きしめ、何度も何度も謝った。




お母さんは何も悪くないよ。


悪いのはお父さんだよ。


お母さんは十分頑張ったよ。








お母さんをギュッと抱きしめ返す。









お母さんとお父さんは確かに赤い糸で結ばれてた。

間違いなく2人は運命の人同士だった。






なのに、


「ｳｳッ、…ﾋｸｯ、ごめ、んッ、…」


お母さんは今こうして泣いている。

2人を結んでいた赤い糸は無残にも切れてしまった。







どうして？

赤い糸で結ばれてたら、
2人は幸せになれるものじゃないの？



運命ってそういうものじゃないの？









お母さんの赤い糸は切れたまま宙を舞う。
糸の繊維はボロボロで、色褪せてしまっている。






こうなることがお母さんの運命だったっていうの？

他所で不倫されて離婚することが？






あの赤い糸はそんは残酷な運命を結んでいたの？








あたしも女子だから運命の人に憧れはもっていた。

あたしもいつかは運命の人と会って、幸せな未来を過ごしたいと願っていた。






だが、運命の人と結ばれた結果がこれだ。







もうあたしは、

運命なんて信じない





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