宮治と赤い糸で結ばれています

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赤い糸が繋がっているのはあの女子生徒だけではない。どの人も全員小指には赤い糸が結ばれている。もちろんあたしの指にも。



基本は半透明で触れることはできないが、稀にああやって触ることのできる糸もあるのだ。

ひどい時なんて突然目の前に現れてぶつかるときもある。誰かの運命のせいで失明とか本当に勘弁。もし失明したらその糸ハサミで切ってやろうか。



そんな特殊な能力を身につけたのはここに転校してくる少し前から。どうしてこんな能力を身についたのかは今だによくわからない。









そして厄介なことに、

あたしの赤い糸と繋がっている人を
転校して早々見つけてしまったのだ。









「おいなんでまだ2限やのにおにぎり食っとるんや」

「腹が減ったからに決まっとるやろ」

「朝あんなに食っとったやろ！！」

「もう消化した」


後ろの方から聴こえてくる男子たちの声。





「あ、治くんや。ほんまよく食べるな〜」

「あんだけ食べてよく太らんよね、羨ましい」


そう言って宮治を見て羨まむ二人。







宮治…

女子から壮大な人気を誇る、長身で、イケメンで、バレーが上手で、しかも双子というハイスペックの塊で、今おにぎりをリスのように口に頬張っている男









……があたしの運命の人…らしい。









小指に繋がっている糸は後ろにいる彼の指へと真っ直ぐ伸びてあたしと彼を繋いでいる。



「(あたしの運命の人なんてもっと普通の人でいいのに、なんでよりによってあんなにハイスペック人間なの)」

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