しだれ桜 ページ8
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次の日から、あたしはバレー部の練習を見に行くのをやめた。
気持ちを断ち切りたいのなら侑くんを見なきゃいい。それだけの話だ。
由梨にだけはこのことを正直に打ち明けた。
由梨には「本当に諦めてええの？」「諦めるのは頑張ってからでもええんやない？」と色々言われたが、あたしの意思は揺らがなかった。
これでいい。
だって、頑張ったって実るかもわからない。何年かかるかもわからない。
そんな長期間もの間この病気を患うのは嫌だ。
だったら諦めるのが一番簡単で最短な道。
大丈夫、まだ気持ちは浅い。すぐに気持ちなんて冷めるはず。
稲荷崎のバレーを観れないのは辛いが、この病気が治ればきっとまたファンとして観れるようになる、大丈夫。
「(大丈夫、大丈夫)」
大丈夫と自分に何度も言い聞かせる。
「A〜次移動教室やからもう行くで」
「あ、うん、ちょお待って！」
いけないいけない、こんなことを考えている場合じゃなかった。急いで机から次の授業の教科書を取り出し、由梨の元へと向かう。
なんてことはない。ただ放課後にバレーを観にいかなくなるだけ。あたしはただいつも通りに過ごせばいいんだ。
「お待たせ、行、…ッ、」
急に、お腹から込み上げてくる感覚がし、急いで口を抑える。
「Aっ、」
由梨はあたしの様子を見て状態を察したようだ。
「…だい、じょうぶ。あたしトイレいくから先行って、荷物頼んだ」
由梨に教科書と筆記用具を無理矢理渡し、人気の少ないトイレへと駆け込んだ。
「ゲホッ、ゲホッ、」
咳とともに口からぽろぽろとピンク色の花が落ち、手のひらを埋め尽くす。
これは、
「…しだれ桜」
普通の桜と違い、枝を下に垂らしながら咲く桜だ。
手のひらで綺麗に咲いているしだれ桜を見て、涙が溢れそうになる。
「ああ、もうッ…」
歯を食いしばり涙が出るのを堪え、桜を便器の中へと落とし、水で流す。
早く教室に行かなくては由梨に心配をかけてしまう。
花びらが床に落ちていないことを確認し、あたしは急いで教室へと向かった。
しだれ桜は、他の桜とは違い、枝を垂らすことで自分を隠し、偽っているように見える事から
花言葉は、" ごまかし "
まるで、何度「大丈夫」と言っても自分の気持ちは誤魔化しきれないよと言われているような気分だ。
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ドク(プロフ) - 続きisどこですかぁぁぁ！！！！ (2022年7月19日 12時) (
レス) @page18 id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
あーはぁん（（ - はぁぁぁやく続きが見たいいい楽しみに待ってますすす (2020年8月22日 10時) (レス) id: df9cd1fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
あやや(プロフ) - これ程までに「終わり」と言う文字で叫んだ事はあるだろうか…好きですああああああああぁぁぁ (2020年5月2日 16時) (レス) id: 67bca5a533 (このIDを非表示/違反報告)
唯@菜の花(プロフ) - もらんさんの作品大好きでいつも見させて頂いてます！花吐き病っていう設定も好きです！自分のペースで無理せず更新頑張って下さいね〜(ﾟ∀ﾟ*) (2019年10月16日 16時) (レス) id: d2ed3e800b (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - いえいえです！更新頑張ってください！ (2019年10月14日 20時) (レス) id: b13051df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もらん | 作成日時：2019年10月11日 17時
