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「 現実、…いやいやいやいや!!!おかしいおかしい!!あたしあんたの好きな子ちゃうやろ!!」
「さっきから何べんも好き言うてんやろが!!!」
「いやだって、…え?いやいや、」
「ああもう喧しいな!!!」
「え、ちょ、」
後頭部に手が添得られたかと思いきや、いきなり侑との顔の距離が縮められる。
そして、次の瞬間、
「ンッ、」
あたしの唇が、侑の唇よって塞がれる。
そして、ゆっくりと離れると、「しょっぱ、泣きすぎやろ」と侑は小さく笑った。
そのまま後頭部から頰へと手を添えられ、顔を侑の方へと向かせられる。
「これで、俺の気持ちわかってくれたか?」
「〜〜、」
「…おおっと、」
驚きのあまり足の力が抜けてしまい、侑のセーターを掴んだままあたしはゆっくりと地面へと座り込んでしまう。
あたしを支えながら侑もゆっくりと地面へとしゃがみこむ。
「(今、キ、キスした…)」
顔が熱い、恥ずかしくて侑の顔が見れない。
唇から、先ほどの温もりや柔らかい感覚が消えない。
やばい、
なんかやばい、
「なあ、こっち向いてや」
「むり」
「照れとんの?」
「…やかまし」
「ハハッ、可愛えなほんま」
「〜ッ、うるっさい、」
恥ずかしすぎて顔を両手で覆うも、侑に簡単に剥がされてしまう。
「好きやでA」
「っ、」
恥ずかしさに追い打ちをかけるように、改めて好きと言う侑。
あたしだけを見てほしかった
侑に好きになってほしかった
あんなにも願っていたことが今現実となっている。
いつまにかあたしの両手は侑にしっかりと握られていて、温かい体温があたしの手に伝わってくる。
ああ、夢じゃない。この温もりは本物だ。
握る手に少し力を入れると、侑もそれに応えギュッと握り返してくる。
もうそれだけで嬉しい。
「A、」
名前を呼ばれ、ゆっくりと顔を上げる。
思いのほか至近距離で目が合う。
「Aも、俺のこと好きやんな?」
その問いかけに、あたしは大きく頷きながら、
「…すき、侑が好きッ…」
再び自分の気持ちを侑へと伝えた。
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Mutk(プロフ) - 語彙力皆無でもう何も伝えられないのですが、この作品に出会えて良かったです。宮侑がこんな恋愛をしていたら、って考えるととっても幸せになれました。ほんとに、ありがとうございます。 (2021年8月12日 9時) (レス) id: 55e19ab55c (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - バカからのリクエストなんですが、夢主ちゃんとあつむの将来とか書いてほしいです!ここからのリクエストって良いんですかね、、、 (2020年6月9日 15時) (レス) id: 5c5bcab0c3 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - なんでひとり一票しか入れられないんだろ…星連打したい…!!この作品を作ってくれてありがとうございます!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめらー - 完結おめでとうございます!侑とのイチャイチャ楽しみに待ってます!更新頑張ってください (2019年10月18日 21時) (レス) id: de3c7d3997 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめらー - 間違えましたスイマセン (2019年10月18日 21時) (レス) id: de3c7d3997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もらん | 作成日時:2019年9月16日 16時