来世は一緒に空を飛べるといいね 2【ヒロアカ】【鬼滅の刃】 (ページ3)

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五十三話「鬼のオリジン」ページ3

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無惨「ヴィラン連合如きが、私を狙うなど一体何用だ。これで誘拐されるのは2回目。今の私に貴様らが欲しがるような力はないのだぞ。」

「さぁな。ただ俺はドクターに連れてこいと言われただけだ。」

無惨「あぁ、あのクソジジイか。奴もしつこい。それにしてももっとマシな場所はなかったのか。この私を地べたに座らせるなど、殺されたいようだな。ツギハギの男よ」

「随分とお喋りするな。誘拐されたんだから少しぐらい怯えろよ」

ヴィラン連合の中核である荼毘は、今世では人間として生まれてきたかつての鬼の始祖、鬼舞辻無惨もとい産屋敷無惨と共にとある県境の森の中にいた。もちろん荼毘は無惨が人類の宿敵だったことなど知る由もない。

超常解放戦線のヒーローへ進軍に向けての言わば準備期間中であるが、その中で荼毘はドクター殼木に「産屋敷無惨を連れてこい」と命令される。

日本一と言っていいほど有名な家系であるターゲットなのでなかなか難しい任務だと思いながらも、1人で歩いていた無惨を容易く攫うことが出来たのだ。

しかしあの産屋敷家にしては簡単すぎたし、何より無惨の纏うオーラは名家の御曹司のそれとは全く異なる。ので、少し寒気を感じている荼毘である。

とっととこの不気味な任務から手を引こうと荼毘はドクターに繋げた。

荼毘「おいドクター。連れてきたぜ」

殼木「ご苦労だった荼毘。それに...久しぶりだな、無惨よ」

無惨「汚い声で私を呼ぶな、ゲスが」

殼木「フフフ、口の悪さは健在じゃな。どうだいその後の調子は」

無惨「貴様とそんな下らない話などするか。さっさと用件を言え。私のことは15年前のあの日から用済みのはずだ。」

15年前、当時まだ幼い子供であった無惨は殼木とオールフォーワン(AFO)の手によって連れ去られた。

その目的は無惨の個性、「鬼化」を奪うため。「鬼化」とは文字通り、鬼舞辻無惨が1000年間鬼を生み出し続けたあの力である。

大正時代まで存在していた「鬼」という化け物のことを知ったAFOは、鬼の始祖と同じ能力、同じ名を持った無惨から個性を奪ってしまったのだ。

無惨には変わりの個性を入れられたが、本人にはもう鬼を生み出す気などなかった。かつて鬼殺隊の長だった男が今世では自分の弟となったのだ。日の元も歩ける。鬼は必要なかったのに、ヴィランの手に渡れば…どうなるか。

それこそが、現代個性社会に蔓延する鬼達の起源(オリジン)である。

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