来世は一緒に空を飛べるといいね 2【ヒロアカ】【鬼滅の刃】 (ページ2)

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五十二話「忘れたままで、」ページ2

Aside

皆の命懸けで戦った日々が、誰にも知られず歴史の彼方に消えてしまうのは悲しいと思った。

それに鬼殺隊に入る前の青い春の日々が無かったことになるのも、凄く嫌だった。

日記なんて書いたことがなかったから拙い文になったけれど、ただただ思い出をズラズラと薄い本に書いたのを覚えている。

まさか記憶を持って生まれ変わるなんて思わなかったし、鬼がいることも、ヒーローという人達がいるのも、当時の私には到底想像なんかできないことだった。

やっと会えた目の前の"彼"とも、敵同士になっているとは....思わなかったの。

あれを書いたことが、鬼殺隊の情報をヒーローに知られるきっかけになってしまうなんて。

私が死んだ後どうやって彼らの手元に渡って行ったのかはわからないけど、この件は完全に、私のせいだ。

それに....彼が、ホークスが。何かに気づいてしまうかもしれない。

一番、それが怖い。

「あなたが、"治癒神様"かもしれないと思ったのは本当に勘でしかなかったんですよ。バクゴーくんに使ってた力と、俺にかけてくれた"おまじない"。そこに同じ温かさを感じたんです。」

やめて

「なんでかな。俺は"昔"からそういう温かさを求めていたような、知っていたような気がして」

やめてよ

「ははは、変ですよね。でもちょっと好奇心で動いてみたかったんですよ。俺、ヒーローの中でもちょっと特殊だから。気味悪いかもしれないけど、初めてあなたを見た時からどうしてか気になっちゃって」

「!!!」

あぁやっぱり。

記憶の蓋が、開き始めている。

素顔を見せぬまま、"治癒神"としてのみ認識されてれば良かったのに。

あの時、あの桜の木の下で会ってしまったから…

「"来世は空を飛べるといいね"」

「.....っ、」

「あなたとその姿で初めて会った時、そう言う声が聞こえたんだ。....何か、知ってるんじゃないんですか？」

神様ダメです。これ以上彼に過去を思い出させないで。

私の事なんて一生忘れてていいから。

彼には...太陽のもとで、笑ってて欲しいから

「お願い。誰にも、何も言わないで。私にも聞かないで

ごめんね、_____」

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