どうせなら、雪になって消えたい【鬼滅の刃】

十. ページ10

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雹山Aさん....


壁を越えて帰っていったけど、なんで玄関から帰らないんだろう



目の前には、Aさんの顔を覆っていた包帯



Aさんの素顔は...俺の死んだ母さんそのものだった


髪型も違うし、顎にあるホクロの位置が母さんとは逆だけど



本当にそっくりだった



思い出したらまた涙が出てきた






伊之助｢おいてめぇ!! また泣きやがって!!!｣



炭治郎｢ごめんっ......｣



伊之助｢えっ...い、いいけどよぉ....｣




胡蝶｢あらあら、どうしたの炭治郎くん。伊之助くん、たとえ同期でも泣かせちゃダメじゃないですか｣



伊之助｢はぁん!!!? 俺じゃねぇぜ!!! なんか目を包帯で隠した変な女がきて....｣



胡蝶｢っ!?｣




あれ、しのぶさんの心が少し乱れた




胡蝶｢....まだいたんですね、雹山さん。まさか...炭治郎くん、彼女に何かされて....｣



炭治郎｢ちっちがいます!!! むしろこっちが悪くて、｣



胡蝶｢だったら、なぜ泣いてるんです?｣



炭治郎｢.....Aさんが、死んだ俺の母さんとあまりにも似てたから｣



胡蝶｢彼女の素顔を見たんですか? 私も随分と見ていないけど...とにかく、あの人には関わらないことですね。｣



炭治郎｢え、どうして｣



胡蝶｢雹山Aは柱でありながら、鬼を庇い仲間を傷つけた愚か者です。｣





しのぶさんは、いつも怒ってる匂いがする



それは本人も自覚しているみたいだけど、でも


今日はいつもに増して怒っているみたいだ



なんでAさんと関わっちゃいけないんだろう


それにAさんは、絶対に人を傷つけるような人じゃない









Aさんは....



母さんみたいに、優しくて強い女性の匂いだった






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