◆正に小さな宮古島 ページ37
※2016年頃
※正門side
『正門』
「あ…お疲れ様です」
Aくんの所属するグループがなくなってから、環境は大きく変わった。
グループの括りがなくなった間宮Aというアイドルは、また以前みたいにソロでの活動に戻っている。キラキラ路線だったAくんは、ついに楽器という武器を振り翳すようになったのだ。
過去に片鱗を見せていたとはいえ、今までその武器を隠したまま世間に認知されていたこの人は、とてもポテンシャルが高い。
能ある鷹は爪を隠す、とはまさに。
Aくんがバックバンドに徹することはないが、人手が足りない時…本当に稀だけど、一緒に後ろにつくこともある。
Aくんは全然後ろにつくと言ってるけど、事務所的にはそこまでさせたくないようだ。
『今度の新譜、渡しにきた』
「え、そんなわざわざ…取りにいくのに」
『練習の邪魔したないし』
鞄からファイルを取り出し、楽譜を差し出される。
好奇心が勝りパラパラと捲ると、楽しそうな譜面で高揚する。
『正門素直やから助かるわ』
「あ、すみません。気になって」
『あんたいつも楽しそうにギター弾くから、俺も作り甲斐があるよ』
小恥ずかしそうに眉を下げて笑うAくんは続けて楽譜を取り出して俺に渡す。
それは明らかに俺用のバンドスコアではなくて、頭にはてなが浮かぶ。
『小島に渡しといてくれる？』
「……まだこじけん、Aくんに迷惑かけてます？」
『いや。あいつも正門から受け取ったほうがええやろ』
「でも」
いいから、と渡された楽譜は"小島へ"と綺麗な字で書かれている。
用が済んだと出て行ったその人を追うことなく、早速ギターに触れて譜面をなぞる。
楽器が出来るからと寄せ集められただけだった俺たちバックバンドを、Aくんは共にバンドをする仲間に選んでくれた。
俺とこじけんがセットなのはAくんの中にもあるみたいで、一緒にバンドに選抜された時は嬉しくて2人ではしゃいだりもした。
この人の背中を預けられる感覚は、バンドじゃなければ味わえなかっただろう。
「もんくん」
「戻っとったんかこじけん」
「何弾いとるん？」
「次の新曲。これこじけんの分」
練習に戻ってきたこじけんが大きな目をぱちくりとさせて俺の楽譜を覗き込む。
Aくんから受け取っていたものを渡すと、すぐに誰から渡されたのか察し更に目を見開いた。
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舞茸 - 初めまして！一気に読んでしまいました…！すごく面白いです！もしよかったら主人公が鬼レンチャンのカラオケに出たら…というお話が読みたいです（ ; ; ）続編楽しみにしてます、よろしくお願いします！ (2021年12月31日 4時) (
レス) @page50 id: 91d1601611 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん(プロフ) - 今日めっちゃ更新あって嬉しいです！メンズ校の方も更新待ってます！ (2021年12月25日 21時) (レス) @page48 id: dcdd46bcaa (このIDを非表示/違反報告)
yechung(プロフ) - みやにし大好き過ぎて、こっちもあっちも何回も読み返して楽しんでいます。 (2021年12月24日 16時) (レス) id: a7fc5954a6 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん(プロフ) - みやにしも好きなんだけど、みやこじもみやすえも好きになっちゃう！続き楽しみにしてます！ (2021年12月23日 21時) (レス) id: dcdd46bcaa (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！みやにしをよろしくお願いいたします〜！ (2021年12月10日 15時) (レス) id: 03de132077 (このIDを非表示/違反報告)
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