なにわの白③【男主】 (ページ3)

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『あー…俺、結構……そのー…挑戦的というか。やりすぎて引かれてへんかなーとか…変じゃないかなって…大吾に嫌われたないし』

大吾の顔が見れない。人に拒絶されることってこんなに怖かったっけ。
別に拒絶されたわけじゃないし俺の被害妄想だけど。本当に今日の俺はおかしい。いつもはこんなアホみたいなことにならない。
嫌われたくないって何やねん。重いやつの台詞ばっか口から出るし余計凹みそう。

「かっこよかったし、いつもと全然雰囲気違って凄い。今までとは何もかも違くて…本気で大人に見えたし。Aは表現力があるから、写真は平面なのにその世界に引っ張られそうになるっていうか。この人になら遊ばれても良いし、一緒に堕ちてもいいなって思える」

ただただ真面目な感想に顔が熱くなる。
ああいう俺も肯定してくれるところも、見た目だけじゃなくてちゃんと作品としての評価もしてくれたからそこまで言われると気恥ずかしい。

『俺、かっこよかった？』
「あれをかっこ悪いって言うやつおらん」
『変でもない？』
「同じ格好しても他のやつには無理。あんな悪そうで妖艶な大人、Aにしか出来ひん」
『それ褒めてる？』
「むちゃくちゃ褒めてる。最後の表情とか、あんな見た目の男がするなんてずるいもん」

最後。カメラに向かって柔らかく微笑んでいるカットのことか。
カメラマンに一番褒められたやつだった、そう…あれは。

『やっぱ大吾のおかげか…』
「なにが？」
『なんでもない！』

さっきまでの鬱具合が嘘かのように晴れやかな気持ちになった。
また新たな表現と、自分の武器を増やせた気がして誇らしくもなってくる。

周りの評価じゃなくて、大吾に否定されないかが怖かっただけなのだと自分の扱いやすさに笑ってしまう。今ではどんな俺でもファンは受け入れてくれるとか、楽観的なことさえ考えられるようになった。

大吾の存在は俺にとって大きすぎるのかも。
お前のことを考えてたからそんな顔が撮れたなんて、それこそ引かれそうだから黙っておこう。