【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ24)

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野上「…お前が嫉妬するように、俺だってなんか嫌なんだよ、他の奴と写真撮ってるの」
『え』
野上「変なところまでお前に感化された」
『両想いじゃん…』

思わず変な言葉を口走り口を押える。
もちろん野上には聞こえてたから頬を抓られる、可愛いお仕置きだ。

『野上』
野上「なんだ？」
『ふたりで写真撮りたい』
野上「じゃあ藤木先輩への協力は辞めるな？」
『比べるまでもないです』
野上「ではそういうことなので、俺たちはこれで」

保健室に背を向けて帰ろうとすると、やはり止められる。
野上はどうやってこの場を解決するつもりなんだろう、俺はもう保健室に来た時点で思考が死んでいるから何も思いつかない。

野上「保健室での写真は全て牧に差し替えてください」
牧「え」
野上「牧がどうしても写真に写りたいと」
藤木「え？そうなんか、牧」
牧「いや…」
野上「俺と宣杜はこのあと大事な用がありまして。親友である牧がそれを代わりに引き受けると、良い友情ですよね？」
藤木「それは立派な友情やわ」
牧「え？え？」
野上「では先輩。良い学校案内を期待してますので」
藤木「おう！任せとき！」

うわ、そんなんでいいんだ。
ゴリ押しもゴリ押しすぎる野上の突破は、あの先輩には通用するみたい。

今回の件、最初から野上といれば俺がアシスタントで振り回れることはなかったのかもしれない。
…それはそれで、別の件で恩を返すことになりそうで面倒くさそうだけど。

野上「ずっと藤木先輩といたのか」
『まあ…色々と迷惑を学校にかけましたので』
野上「お前そのたまに出る敬語、やめろ」
『え、嘘使ってた？』
野上「結構出てるぞ」

故意の敬語を使うときはあるけど、野上にまで使ってるとは。
昔から遜る変な癖というか、世渡りというか、そういうのが抜けないんだろう。

良い子でいた弊害がこういうところで出るのは戴けない。直さないと。

『携帯の使用場所限られるじゃない？』
野上「そうだな」
『でも俺さ、恋人との写真を待ち受けにするの夢なんだよね』
野上「…待ち受けにするつもりか」
『現像して飾ってもいいならしないけど』
野上「それもそれで困るな」

　

これによって野上が内部改革を目論むときに携帯の使用解禁を最初にしようと決意したなんて、今の俺は知る由もなかった。