【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:49,849 hit

XX-1 ページ2

『帰ってきちゃった』

島の空気のほうが綺麗だからその辺は落ち着く。
人の圧から解放されたからか、ドッと疲れがやってきた気がする。

『のがみ～…』

おっといけない、思わず自分の口に手を当てる。
知らない人間に囲まれる生活が久しぶりすぎてストレスが溜まった故の禁断症状が。

結局一週間野上のことを考えてしまっていた。
忘れるとか手放すとか言って、島の外に行くくらいでは荒療治は効かないらしい。

恋は盲目、プラトニック・ラブ。
人間には一定の愛が必要なんだ、生理的現象は許されたい。

物理的に離れないとやっぱりダメだ、早く俺を海外に飛ばしてほしい。
ベタベタと女に触られたり、俺より頭の悪い人間が媚び売ってきたり、やっぱり島の外は面倒くさすぎる。

『このまま戻ったら絶対に野上に抱きついてしまう』

早朝、誰もいないのをいいことにしゃがんで頭を抱える。
島に戻って来たのは失敗だった、でも家に帰りたくもなかったし。

あのとき、素性を晒したとはいえ全てを言ったわけじゃない。
まだまだ問題は山積み、身辺整理って難しい。

どこにいるかなんてあっちは把握してるくせに、何も言ってこないのは俺が絶対戻らなきゃいけないのをわかってるからだ。
希望なんて最初からなかった、だから

『考えるのはやめよう』

このままでは余計野上を拗らせてしまう、家のことは考えないほうがいい。

とりあえず寮に戻って熱い湯を浴びたい。
教師に顔を出すのはいつでもいいだろ。