第31話、的なやつ ページ32
貴方side
その日は珍しく、特に何もない日だった。深澤もいなけりゃ、佐久間くんも長期のお仕事に行ってて、ほんとに静かな日。
貴「これはこれでちょっと寂しい、かも・・・」
やけに静かなこんな状況を、きっと今の私なら『嵐の前の静けさ』と表しただろう。
橙「大変や！ふっかさんが連れ去られてもうた！」
諜報活動をしていた康二くんが、事務所のドアを壊す勢いで入ってきてそう叫んだ。
黄「は？ふっかがそんなヘマするわけないじゃん、なんかの間違いじゃないの？」
橙「じゃあ照兄は俺が調べてきた情報を疑うん？」
黄「そういうわけじゃないけど・・・」
不機嫌そうな顔で康二くんを見たものの、今までの康二くんの実績もあって安易には一蹴できず俯く岩本さん。
緑「照、残念ながら康二の話は本当だよ。ウチの系列の奴らからも目撃情報が上がってる。」
愛用のタブレット端末を手にしながら岩本さんの背中をさするあべちゃんは、独自の情報網を使ってこの一瞬で裏どりをしていたらしい。
黄「な、なんで・・・相手は誰なんだよ！」
橙「最近俺らの手を煩わせてたヤクザもどきおるやろ？あいつらみたいやわ。」
黒「ついに俺らに直接、ってことっすか」
今までにもちょくちょく出てきていた厄介な敵。「ヤクザの割に礼儀がなっとらん！あんなんヤクザもどきや！」なんて康二くんに言われるくらいにはヤンチャなところらしい。
緑「そうだね、ふっかはそのサボり癖のせいで戦闘要員だと判断されなかったみたい。」
青「まあそこは自業自得だけど、要はそいつらからの宣戦布告ってことだろ？」
白「え、ってことは抗争、的なことになるんですか・・・？」
赤「いや、抗争までの規模にはならないと思う。お互い人数的には少ないしね。ただ、真っ向から戦わなきゃいけないのは確かかな。」
不安げなラウールくんのそばに立ち手を握る。こういう環境にはもう慣れたけど、流石に私だって怖いものは怖い。
黄「身内に手ェ出されたんじゃ黙ってるわけにはいかねぇからな。準備出来次第乗り込むぞ！」
岩本さんの号令で、皆それぞれ武器を持ったり侵入経路を探ったり、各々のできることをし始めた。
だが、私にはこういう時にできることがない。いや、あるのかもしれないけれど思いつかない。
みんながバタバタと動き回る事務所の中、私は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
次回、「できること」。・・・やっと話が動きます。
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tihiro - omosirokunai (2021年12月7日 17時) (
レス) @page1 id: 2adfc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
うさのすけ(プロフ) - まゆさん» うわ、めちゃくちゃ嬉しいです！！めちゃくちゃモチベになります！頑張ります！これからも宜しくお願いします！！ (2021年8月9日 16時) (レス) id: 4a67e16777 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 主様のお話の最後の次週予告？みたいなのがめちゃめちゃ好きでお気に入り登録させていただきます！そのギャグ線欲しいぐらいですｗもちろんお話も大好きです！更新楽しみにしています。 (2021年8月9日 13時) (レス) id: c1fb10ca7d (このIDを非表示/違反報告)
うさのすけ(プロフ) - Emiさん» ありがとうございます！凄く嬉しいです！頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！！ (2021年7月20日 20時) (レス) id: 4a67e16777 (このIDを非表示/違反報告)
Emi(プロフ) - 面白いし続きが気になる！楽しみにしてます (2021年7月20日 15時) (レス) id: 8313c6a07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさのすけ | 作成日時：2021年4月20日 18時
