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chapter*3-8...君は僕を弱くする ページ22

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 ツボにはまったのか中々傑さんの笑い声は途切れない。硝子さんは硝子さんで「よく言った」なんて言っているし、ついに五条さんは頭を抱えだしてしまった。

 どうしよう。中々に不思議な空間が出来上がってしまった。

 助けを求めるように硝子さんを見ても、助けてくれる気配はない。えぇ……?


「そんなことはわかってるんだよねぇ」
「本当ですか?」
「ねぇお前僕のことなんだと思ってるの?」
「うーん変な人、ですかね」
「へんなひと……」
「実際五条は変だろ」
「硝子に言われたくない」
「私のどこが変なんだよ。言ってみろ」


 私のことを放って軽い喧嘩のようなやり取りを始めた二人を眺めていると傑さんに名前を呼ばれて顔を向ける。

 どうやらある程度笑いが治まったらしい傑さんは片手にスマホを持っていて、こちらに向けていた。私、知ってる。デジャブを感じる構図になんの抵抗もなく私もスマホを取り出す。


「おや、話が早い」
「似たようなことがこの前あったので……」
「あぁ」


 納得した傑さんはちらり、と五条さんを見るから、私は心の中だけでそうですよ、と同意する。あの時は拒否権という拒否権もなかったけどね。


 傑さんと連絡先を交換しているのを目敏く気づいた五条さんがまた駄々をこね始めた。


「僕の時は渋ったくせに」
「初対面だったので」
「傑だって初対面だろ」
「そうですけど。五条さんの知り合いだしいいかなって」
「……それはどう捉えたらいいのさ」
「信頼されてるってことでいいんじゃない?」


 まだ会うのは二回目ですけどね。傑さんの言葉に小声で付け足したけど、どうやら本人には届かなかったようだ。傑さんの言葉に一気に機嫌を戻した五条さんに、ちょろすぎないか心配になる。この人成人男性だよね? もっと慎重になるべきでは? 傑さんちょっと笑ってるけど。


「それなら私とも交換してくれるだろ? ほら」
「いいですよー」


 二人と簡単に連絡先を交換して、あの、と話を切り出した。三人分の視線が一気にこちらに向いて、びくりと肩を揺らしてしまった。他意はないんです。反射なんです。
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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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希乃夏(プロフ) - pixivでも見させて頂いていたものです!!占いツクールでも公開してくださりありがとうございます!!更新頑張って下さい!! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 1e5270c5a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仁篠。 | 作成日時:2021年3月22日 11時

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