太陽に照らされて2【日向翔陽】

80 ページ31

キャンプファイヤーの火を見ながら考える





翔陽にも好きな人がいる






それは考えたことがなかった





だっていつもバレーばっかりだし同じクラスでだって他の女の子と話してるところなんてあんまりみない





仁花ちゃん？


潔子さん？




もうバレー部でしか思い浮かばないや




でもちょっとだけ期待したりもする




だって好きでも無い人と手を繋いだり顔を赤らめたりしないでしょ？




翔陽にも手伝ってもらった看板を火の中に入れる




ゴォゴォと燃え上がる炎は少し私を寂しくさせた





文化祭が終わったあと翔陽は飛雄と鵜養さんのところに行くらしく一人で帰ることになった








『あ』



寂しく一人校門を出るとタイミングが良かったのか月島くんが居た




いつも一緒の山口くんも練習しに行ってるらしい



『じゃあ一緒に帰ろ』


月「…好きにすれば？」




あまり乗り気じゃなさそうだけどこうやって最終は受け入れてくれるから優しい




校門を出てしばらく歩く



『あ！ケーキ！』


月「なに」




昨日助けてくれたお礼にショートケーキをご馳走するとやくそくしたのを思い出した



学校近くに夜遅くまで開いていて美味しいケーキ屋さんがある



そこに行こうとは半ば無理やり連れていくことになった





『月島くんって賢いよね』




特に仲良くしてた訳じゃないけど部活の時とか見てる限り成績面でも優秀だし考えながら動くタイプだなって思う



月「何そのイメージ」




眉をひそめてこいつ何言ってんだって顔をする




ひどいな…





『いやぁ同じ1年生なのにたよりになるなぁーと…』



そんな私に月島くんは何が言いたい訳？とさらに顔をしかめる




私はただちょっとでいいから話を聞いて欲しい…



他の人には言い難いし…





『いや。あの…相談なんだけどね？』




そう言うと月島くんは私をちらりとみてそのまま黙って聞いてくれた




『もしだよ？？もし、好きな人に好きな人がいるかもしれないって気付いたらどうする？』





こんな話をしてすみませんって感じだけど月島くんなら遠慮とかなく思ったことを言ってくれそう




月「はぁ…真面目に聞こうとした僕が馬鹿だった」




え？

私の期待は？？





『ちょっと待って先行かないで〜！』




走って月島くんの腕にしがみつく




月「ちょっと！離せ！！わかったから！聞くから！は、な、れ、ろ！」

81→←79

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す