# ページ43
*
『ガふっ───!?』
自身の─恐らく内臓─が潰れた感覚。
そしてそのまま膝を着き、蹲って口から大量に吐血する。
もしかしてこの結界は───、
『中にいる者の呪力を使った攻撃をそのまま跳ね返す、か?』
正解だと言う様に特級がこちらを振り向いてケタケタ笑った。
衝撃的ダメージすぎて震えは止まったが、気分は悪いし体の方も五体満足とは言えなくなった。
それに、俺一人でこの結界を破るには恐らく…
どうしたって自分は無事ではすまない。だけど──…、─────嗚呼。
『アイツらなら大丈夫って、思っちゃってるんだよなぁ…』
痛みを受ける覚悟は疾うにきまっている。
下の階から上ってくる気配を感じた。
ならば後はタイミングだ。
笑いながら蹲る俺に近付き、片手で首を掴んで持ち上げてくる特級。
首が絞まって息ができなくなる… それでも好機と思った俺は、刈爪の鎖をソイツの首に巻き付けて同じ様に首を絞めて拘束してやった。
『…っ、分解は、しないっ ぜ?
我慢比べ、だ……っ!』
負けじと顔に無理矢理笑みを浮かべる。
そんな俺に怯んだのか、特級は俺の首を離さないながらも身を捩り鎖を外そうともがき始めた。
近付いてきていた気配が、とうとう扉を開けて部屋に入ってきた。
「「「Aっ!!!」」」
しかしどうやら結界の中には入れないらしく、外側から殴りつけたパンダが壁際まで吹っ飛ばされた。
…外からのも跳ね返すのか。つくづく厄介な術式だな。
既に息も絶え絶えで酷く苦しいが、まだ倒れるわけにはいかない。
俺にはまだ出来ることが残っている。
片手を武器から離して、特級の頭部を鷲掴む。
そしてそのまま結界を構成している呪力を上回るように俺の呪力を流し込んで、直接頭を握り潰そうと試みる。
結界の外から三人の声が聞こえるが、無視して続けた。
俺を離した特級は逆に俺の手を離そうともがくが、鎖を引き締めて絶対に離さない様に強く握り締める。
『っあああああ"あ"ーっ!!!』
バチンッ──と何かが途切れる音。
そしてその瞬間、周りを囲っていた結界が消えるのが見えた。
*
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鈴奈(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!あんまり見かけなかったのでどうせ書くなら推しと仲良くしてほしくて…!!ちょっとずつな更新ですがまた見にきてくれると嬉しいです! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 雪マカロンさん» ありがとうございます〜!ちょこちょこ更新頑張ります! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!推しの狗巻先輩と相棒的な立ち位置は嬉しい!更新頑張ってください (2021年2月24日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 続編おめでとうございます!これからも、更新頑張ってください! (2021年2月24日 13時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるととても書く気が湧きますね!!頑張って絞り出します! (2021年2月22日 22時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年2月6日 15時