【呪術廻戦】圧縮系呪術師 弐【男主】

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悟が言うには、俺が長年忘れていたこの【圧縮】こそが俺の根本的な術式。
今まで使っていたのは浅葱の血筋から成り立った応用に過ぎないらしい。


なので俺は最近この【圧縮】を積極的に使うようにしている。
これに慣れれば、応用の方のレベルも更に上がると思ったからだ。



────グシャッ



呪霊が押し潰されたのを見届け、扉に近寄る。

耳を澄ませると話し声が聞こえてくることから、少なくとも中にいる人は全員無事だと判断する。



希「A！！ そっち終わったなら手伝えっ！！」



真希の声に振り向くと、再生が早い個体なのか決め手にかけているようで苦戦していた。



『りょ！』



懐からキューブを取り出して刈爪(かいそう)に戻す。

真希に飛びかかるところだった呪霊を背後から鎖で拘束し、動きを止めさせた。



『はいどうぞー！ 真希さん祓(や)っちゃってー！！』


希「気が抜けるからやめろ！…っての！！」




────ザンッ



首らしき部分を左右から切り付け、頭と体を分解させて切り離す真希。

トドメに俺が鎌の部分を頭に投げ付けて突き刺すと、5本の爪痕が走るように切り刻まれた呪霊はそのまま蒸散した。



『はい、とりまお疲れー』


希「ん」パシッ



こちらに近付いてきた真希とお決まりのハイタッチをして、扉の前で立ち止まる。



『多分まだ全員無事みたい。どうしようか』


希「帳の外に連れてくのもダリィし気絶させてキューブにしちまえよ」


『鬼畜かな？？』



自分がめんどいからって押し付けたよ。

キューブにする俺にもされる一般人にも鬼畜だよこの子…！



希「じゃあわざわざ戻んのかよ？
まだ"居る"んだろ？」


『まぁ…、漠然とだけど全体的な気配は消えてないね』


希「ならいいだろ、"安全確保"の為だよ。
私みたいな「落ちこぼれと一緒だったんだから仕方ない」でなんとかなる」



ニヤリと笑って何でもないことのように自分の立場を利用しようとする真希。

潔過ぎてカッコいいよ…。


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