【呪術廻戦】圧縮系呪術師 弐【男主】

# ページ38

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これなら俺が一緒にいなくても武器を使うだけで勝手に術式が発動される。
簡易的な呪具のような物だ。

事前に創るものだから実際の戦闘中に呪力を消費しなくてすむしな。



『それ俺の術式で創ったやつ』


希「へー、結構しっかりしてんじゃん」


『俺以外が使っても術式発動するはずだから。…多分』


希「おい」



真希は溜息を吐くとナイフを一つだけ逆手持ちにして、棟内に入っていく。



希「仕方ねぇから実験台になってやるよ。
ほらさっさといくぞ」


『はーい』



俺もそれに続いた。


＊


話し合った結果、下の階ら辺にいる雑魚から払っていくことになった。

後々襲われてピンチになるのはゴメンだしね。



『…もう人が住んでないとはいえ、これはちょっとなぁ…』



部屋によっては玄関扉が外れていたり、壊れていて中が見えるところもある。
こんなんじゃ肝試しスポットにされるのも頷けるな。



希「なんだよ、ビビってんのか？」



真希が半笑いで聞いてくる。

いやね… 俺 職業柄、スプラッタ系は割と大丈夫なんだけど日本のホラーは苦手なんだよ。

何年か前に流行ったじゃん◯百合団地ってさぁ…！



少し思い出してしまい、顔が青くなるのを耐えていると上の階ら辺に複数の気配を感じた。



『…真希、上の階に"人の"気配。これ多分まだ生きてるよ』


希「チッ、マジかよ… 面倒な事にならなきゃいいが」



心底面倒だ、という表情をした真希はそれでも心なしかさっきより足早に階段へ歩いていった。



『俺は一応保護を優先する』


希「分かった」



階段を静かに上がり、曲がり角から覗くと廊下にさっそくいる呪霊。

…初っ端から二級二体か。


そのうち奥の一体は人の気配のする部屋の扉を笑いながら殴っている。

大方、怖がっているのを感じて楽しんでいるのだろう。クズめ！


真希と目配せし合い、先に真希が飛び出す。

手前の呪霊を抑えてくれているうちに狭い廊下を走り抜け、こちらに気付いた奥の呪霊を視界に納めて"握り潰す"。



『圧縮呪法───【トラッシュ＆クラッシュ】』



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