【呪術廻戦】圧縮系呪術師【男主】

#（一方その頃…） ページ18

＊No side


とあるファミレスに、一人の男と三体の呪霊の集まるテーブル席があった。

勿論一般人の目には男一人しか見えていないが。



「つまり、君達のボスは今の人間と呪いの立場を逆転させたいと」



呪力の無い人達からはただ一人姿が見えているであろう袈裟を着た男、その体の名を夏油傑。



夏「そういうわけだね？」


「少し違う」



火山を模した様な頭の形をした呪霊、三体のうち一体。名を漏瑚。



漏「人間は嘘でできている。表に出る正の感情や行動には必ず裏がある。

だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。
そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な"本物の"人間なのだ。

偽物は消えて然るべき」


夏「…現状、消されるのは君達だ」


漏「だから貴様に聞いているのだ。我々はどうすれば呪術師に勝てる？」


夏「戦争の前に2つ条件を満たせば勝てるよ。

五条悟を戦闘不能にし、両面宿儺 虎杖悠仁を仲間に引き込む」


漏「死んだのであろう？虎杖というガキは」


夏「さぁどうかな」



これ以上聞いてもはぐらかされると思った漏瑚は、もう片方の話題について触れる。



漏瑚「五条悟。やはり我々が束になっても殺せんか」


五「ヒラヒラ逃げられるか、最悪 君達全員祓われる。
今は近くに"浅葱家の異端児"も居るみたいだしね。

【殺す】より【封印】するに心血を注ぐことをオススメするよ」


漏「封印？その手立ては？」


夏「特級呪物【獄門疆(ごくもんきょう)】を使う」


漏「獄門疆…？」



特級呪物【獄門疆】。
その言葉を聞いた途端それまで冷静に会話をしていたのが嘘のように興奮し、頭の火山を噴火させる漏瑚。



漏「持っているのか！！あの忌み物を！！」


夏「漏瑚、興奮するな。暑くなる」



と、その時。
ファミレスの店員が注文を催促しに近付いて来た。

しかし漏瑚の隣に立った途端、なんの前触れもなしに黒焦げになるその店員。

原因不明の焼死に、店内は騒ぎになり始める。



夏「あまり騒ぎを起こさないでほしいな」


漏「これでいいだろう」



夏油に渋い顔をされた漏瑚は、指を2本立てると 店内の人間を纏めて黒焦げにしてしまった。



夏「高い店にしなくてよかったよ」


漏「夏油、儂は宿儺の指何本分の強さだ？」


夏「甘く見積もって8、9本分ってとこかな」


漏「充分。獄門疆を儂にくれ！！ 蒐集に加える。
その代わり 五条悟は儂が殺す」


＊

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