添い寝(後半:三ツ谷side) ページ5
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自分の部屋の閉め切ったカーテンの隙間から、はるちがバイクを発進したのを確認して再度家を出る。
すぐそこにある幼馴染の家のドアに合鍵でお邪魔し、真っ直ぐに部屋へ向かう。
今日はママさん夜勤だって聞いてたから、もう静まり返った家の中に一人納得して そっ…と部屋の扉を開けた。
暗い部屋の中 夜目を効かせてその姿を探すも、見当たらない。
もしや… と思って机のほうを見る。
作業の途中で寝落ちしてしまったのだろう、幼馴染が机に突っ伏して静かに寝息をたてていた。
風邪をひいてはいけない、と肩を揺さぶって起こそうとするも目を覚ます気配はない。
妹達を起こさない為にも声はかけずに 隙間から手を差し入れて抱き上げ、行儀が悪いが掛け布団を足でズラして空いたスペースに寝転がらせる。
すると下ろした時の衝撃で目が覚めたのか、小さく名前を呼ばれた。
三「……は、? A……?」
隣に潜り込み、二人共に掛かるように掛け布団を引っ張る。
困惑している幼馴染…… 三ツ谷 隆に向けて『しーっ』と人差し指を口の前に立てて黙らせる。
タカの方を向いて空いている手を二人の間で握る。
こうする事で漸く安心して眠れそうだった。
次第に落ちていく瞼に抗わずにそのまま寝ようとしていると、我に返ったらしいタカが小声で話しかけてきた。
三「…どうした? 寝れなかったのか?」
『ん…』
眠くて頭が回らず、碌に返事が返ってこないのが分かると タカは俺の手を握り返して大人しく眠る体勢になった。
三「朝まで隣に居るから、何も気にすんな」
優しいその言葉に、今度こそ俺は眠りに落ちた。
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(三ツ谷side)
温かい人肌に自然と目を覚ますと、まだ周囲は真っ暗だった。
寝惚けた視界で周囲を確認すると、自分は布団の上に寝転がっており 隣には幼馴染であるAが掛け布団を引っ張っていた。
『しーっ』と人差し指を立てる仕草一つで、散々見慣れた顔のはずの俺ですらドキッとする。
しかも黙って手を"恋人繋ぎ"されるもんだから、余計に目が覚めてしまいそうな刺激だ。
突然やってきた理由を聞いても、既に意識がふわふわしているらしくまともな返事は返ってこない。
この幼馴染の事だから急に一人が寂しくなったのだろうと推測し、自分も眠る為に体勢を整えた。
お前が望むなら、いつまでだって隣に居てやる。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月18日 22時) (レス) @page50 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
くろーーーー。 - (*´д`*)ハァハァ好きすぎる・・・!!!これからの物語めっちゃ期待してます!!!!! (2021年11月30日 21時) (レス) @page4 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年11月30日 15時