俺、ただの人間なので。

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扉を開けた先には

大きな麒麟の剥製に象の剥製


ヘンテコなオブジェに壮大な風景画
西洋の甲冑から日本の武士の甲冑

etc



しかし、何十分も歩いていて
未だに聖杯は見えてこない



「いやぁ、まさか会えるなんて思ってなかったよ
イギリスに来たのもびっくりだが
普通は大英博物館の方に行くだろう？」


「まだ来たばかりなんだろ？
これからどこ観光するつもりなんだ？」


「もう一人のやつ、Aのボーイフレンドか？」





と言った感じに大男は
ずっと喋りかけてくる




『なぁ、あんたの名前』


「あと少しだぜ
ここ、無駄に広いんだよな」



名前を聞こうと話を遮るも
逆に話をかぶせてくるため一向に聞けない




・・名前を言うのが嫌なのか？？
何故だ？？名前を聞かれて困る事なんかないだろう

偽名だって使えるわけだし



『あと少しって言ってもう15分は歩いてるぜ？』


「まぁまぁ、人ごみじゃないだけマシだろ？
時差ぼけか？今頃日本は夜中だろ」


後ろから馬鹿でかい笑い声が
耳を貫く







・・・・・おい、待て





『なぁ、俺




いつ”日本から来た”って言った』





後ろを向けば




「あぁ、失敗した」




顔面がドロリと溶けた
大男が斧を振り上げていた

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