俺、ただの人間なので。

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何故聖杯を
スピード・ワゴンが落札したのか


それは知る由もない


だが”現実”は変わらない





『守るって、どうするんだ
仕事がこんなに残ってるんだぞ』



ﾏﾒｶﾞｼ「おいおい、こんな事後報告の仕事と
　 聖杯の秘密どっちが大切かなんて一目瞭然だろ」



そう言うとクシャクシャな紙に
何か、殴り書きしていく


それを覗き込んだAは
思いっきりマメガシの腕を掴む



『お前っ、』



ﾏﾒｶﾞｼ「良いんだよ！

　 俺の同僚はお前だけだし
　 俺を理解してくれたのもお前だけだ

　 だから俺はAの力になりたい
　 一人では”負わせない”からな」




『・・・・良いのか、それで』




ﾏﾒｶﾞｼ「いいんだよ、それで

　 俺もAと同じように家族いないし！
　 俺は”楽しいほう”を取りたい！」




豪快に笑うマメガシにつられて
Aもクスリと笑う



『お前、マジでイカれてんな』


ﾏﾒｶﾞｼ「え？」


『なんでもない』




マメガシからペンを受け取り
同じように書きなぐっていく






『これで・・良し
パーティー会場に行くぞ』


ﾏﾒｶﾞｼ「え、このまま？」


『馬鹿、車に諸々用意してるわ』



ﾏﾒｶﾞｼ「マジで！？
　 ・・・・待てよ？そもそも俺が共犯として
　 協力するって決まってたわけで・・・

　 まさか」




『・・・”共犯”、だろ？』





Aの一言にマメガシは
あちゃぁ〜と目頭を抱える



ﾏﾒｶﾞｼ「もう乗った船だ！！！」



『言うと思った』





しわくちゃのコートに袖を通し
残された書類に目もくれず

書きなぐったボロボロの紙、もとい
”退職届”を乱雑に置かれたファイルの上に置き



作業室を後にした

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