No.10 ページ10
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｢これが“死神”･･････！｣
｢我々の三ヶ月が、全てファットガムに奪われた瞬間ですね｣
｢なんで俺が睨まれてとんねん。なあ、イレイザー？｣
｢知るか｣
裏社会を騒然とさせている“死神”について何の情報も得られないまま、三ヶ月が過ぎた頃だった。
『手がかりを掴めた』
そう言って、急遽ヒーロー公安委員会管轄特一級危険個性犯罪者捜査班、略して特捜班の捜査会議が開催されたのである。
｢“ヒーロー殺し”の件が片付いたら、今度は“ヴィラン殺し”か･･････｣
モニターにはいつかのように防犯カメラに映った“死神”がいるが、状況が全く違った。指定暴力団｢死穢八斎會｣の組員に追い立てられ、只管逃げていく様子が映し出されていた。
｢いや、この映像だってコンマ一秒映ってないよね？｣
手に持ったボールペンを摘んでぶらぶら揺らすホークスに、特捜班の班員が鼻息荒くモニターを叩いた。
｢違うんですよ！今回は決定的な手掛かりが掴めたんですよ！ね、ファットガムさん！？｣
忍耐強さで定評のある特捜班がここまで歓喜に沸いた所を見るのは、初めてである。
はあ、とため息をついたイレイザー及びエンデヴァーの隣に、三人分の面積を占有して座っていたファットガムが頷いた。
｢俺ん所のサイドキックの個性にな、『解析』ってのがおんねん。そいつが偶俺に同行しとってなあ、“死神”の後ろ姿見て『解析』してくれたんや｣
｢へえ。よく姿を捉えられましたね｣
｢あちらさんが無闇に殺さず、逃げに徹してたのが幸いしたんや｣
今回の顛末は、どうやらこういう事らしい。
死神はいつもの通り依頼を受けた。
それがどうやら爆発物の運送だったという事は、現場に残されたバッグが証明している。
しかしながら、その依頼はダミー。
“死神”を狙った死穢八斎會が、依頼を通して“死神”を捕まえようとしていた、という事だ。
｢で、気付いた“死神”が逃げ出した｣
｢そうや。資料にも乗っておる通り、うちのサイドキックの個性『解析』は、一瞬でも視界に映った人間の性別年齢身長体重を即時に分析できるってやつやねん。大阪は物騒やから、重宝しとってなあ。それによれば、“死神”は女の子やねん。しかもまだ十五歳。イレイザーが担任しとるっちゅークラスの生徒と同い年や｣
｢十五歳だと･･････？｣
にわかには信じ難い話に、エンデヴァーが思わず呟いた。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
