No.22 ページ22
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“とあるヴィランを殺して欲しい”
義爛の仲介を経て来た依頼は、久しぶりの類だった。
｢最近、変な依頼ばっか続いてたからな･･････｣
直近のでいえば、ヤクザの世界の中でも歴史が古い組の、人道家(？)故に一目置かれている頭領の愛猫が迷子になったから探せなんて無茶ぶりと共に、どこにでも居そうな普通の三毛猫の写真を押し付けられて途方に暮れた。
迷い猫探しなんか、幾ら法外な値段がついたって、今までの依頼に比べれば下二桁足りない。
金にならない商売ならこっちから願い下げなのだが、義爛が言うには、こういう古くからある重鎮組織とは仲良くしておいた方が今後の為なのだとか。
『こういう所の人はな、どんな小さな事でも恩義に報いるもんだ。ちょっとした事を積み重ねておけば、お前が足洗う時にきっと手助けしてくれる。あそこのおやっさんは、そういう人との繋がりとか情を大事にしてきた人だからな』
なるほど、とよく分からないなりに納得した。
だから、殺しの依頼は久しぶりだった。
今回の暗殺対象である。
この業界では割と有名どころだ。何せAの同業者。ただし新参者のAとは違って気に入らない依頼には唾をつけて返せるだけの権力がある。
藍瀬は指折りの暗殺者だった。
業界の先輩を相手にするのは少々気が重いが、いずれはAも狙われる側。いつ死ぬか分からない覚悟くらい、相手も抱き続けてるに違いない。
『八月一日午後三時。藍瀬は○○街の外れにある廃ビル郡の路地に、死穢八斎會の組員と接触する』
場所や時間まで把握していて教えてくれるとは、先方も随分親切だな、と義爛が訝しがっていたのも無理はない。
そこまで分かっていたなら、正直自組織で片をつけてしまった方が金がかからないし、依頼主だという組織はまだ設立して日が短く、組織人も多くないのだという。
まあ、気持ちは分かる。
誰だって、汚れ仕事なんかやりたくないに決まってる。
殺人罪と傷害罪では、罰の重さが一線を画す。興味本位で手を付けられる万引きなどとは訳が違うのだ。
そういう罪を、今日も重ねる。
｢さてと、やりますか｣
午後二時五十分。
Aはまだ見ぬターゲットを求め、再開発がされずに打ち捨てられ、荒廃したビルの魔境へと身を躍らせた。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
