No.16 ページ16
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｢見てみろよ、ヒーロー殺し。大多数の人間は対岸の火事と、いや、そうとすら思っちゃいないぞ。どこで誰がどういう思いで人を殺そうが、こいつらはヘラヘラ笑って生きてるぞ｣
突然一人語りを始めた死柄木弔に、Aはうわあと内心ドン引きした。
義爛に依頼を持ち込まれた日、“もう一つ”の方の依頼だけ了承したAは、七月の明るい日射に照らされたとあるショッピングモールに訪れていた。
『黒いパーカーに黒いスキニー、髪は白。まあ、目が完全にヤバいから見たら直ぐに分かる』、と大分失礼な義爛の通り、この人混みの中で一発で気付いた。
確かに完全にヤバい奴だ。しかも、パッと見もういい大人である。
フロア全体が見通せそうなベンチを見つけ、そこに腰掛ける。
今のAは真っ白な厚底スニーカー、フレームの薄い金色のラウンド型眼鏡に黒いスキニー、半袖の白のパーカーを水色の長袖シャツの上に重ね着し、黒いキャップを被った上に更にパーカーのフードを被った状態だ。一応お洒落な大学生に見えるよう水色のワイヤレスヘッドホンを首にかけて、如何にもスマホとお友達ですといった風に、スマホを片手に俯いた。
死柄木の纏う気配は、やはり異様だった。
見なくても分かる。人を殺す事を厭わない人間特有の血のこびりついた空気が全身に纏わりついた気配。
オールフォーワン以前に、コイツがヤバい。
Aはそう思った。
死柄木こんな場違いなところに何しに来たんだろう、とさして面白くもないネットニュースを漁っていると、5メートルくらい先にボッチでいたはずの死柄木が、何者かに話しかけ始めた。
最悪だ、と内心舌打ちをした。
一方的に会話をし通した死柄木は、友達(絶対違う)と肩を組んで、丁度Aの隣に座った。マジか、とAは戦慄した。余りの嫌悪感に。
お友達と肩を組んだままベンチに腰かけた死柄木は、妙に高い声音で語り出した。
｢だいたい何でも気にいらないんけどさ、今一番腹が立つのはヒーロー殺しさ｣
うわあ。コミ障の典型。
Aは再び戦慄した。
そして現在進行中で二人の“お話”が続いているのである。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
